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「っ…亀?」
“俺はずっと生きてるよ
仁の心の中に”
「っ…。」
一枚の紙が空からヒラヒラ降りてきた。
“ありがとう。
愛してるよ”
何故だろう。
何故だろう。
涙が止まらないよ。
亀はいなかったんだね
またフワッと
金木犀の香り。
「っ…亀…。」
導かれるようにして、
あの場所に行った。
走って
走って
ボクラの出逢った
あの場所へ
「っはぁ、はぁっ…」
―ザワッ─────。
神風が吹く…
目の前には
枯れた金木犀の木。
俺は縋るようにして、
金木犀の木に触れた。
「亀っ…ぁりがとっ・・大好きだよっ…」
君が残していった
一冊のノート
吻では
「ありがとう」って紡いだけど、
ノートがあったら
君の笑顔や泪が溢れ出て忘れられないよ。
苦しいよ。
だからまた今度出逢う時代(とき)には、
俺より先に何処かに行ってしまうときは
何も要らないよ。
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