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「っ‥なんかぴぃ元気なくね?最近ボーッとしてること多いって亮ちゃんとか言ってたけど。」
「んー好きな子に‥酷いことして若干後悔。」
「は!?お前好きな子いたの!?誰!ってかどんな子!?」
「強がりなくせに人がいないとダメな寂しがり屋で、笑った顔とかチョー可愛くてすっげぇモテる。」
「へぇ‥」
「亀に……亀にちょっと似てる」
俺がそう呟けば仁はかなりビックリした顔をしてて、似てんじゃなくて亀なんだよと心の中で思った。
「んで、酷いことって何したわけ」
「……どういうのがタイプとかそういう話になって、ちょっと酒も入ってて…その流れで…ヤッた」
「マジで!?お前何してんの」
「しかも処女奪ったし、無理矢理好きって言わせた…。‥やっべ、俺かなりサイテー…。」
よくよく考えればホントに最強に最悪だと思って、何してんだろうと目頭が少し熱くなった。
「まぁ…でも気持ちわかんなくもないってか…俺も亀見てると我慢できなくなりそうなとき何回もあるし、亀が寝てたらキスしちゃってるし…」
何でお前等揃いも揃って、俺を嫌ってくれねぇんだよ…。
「っはは…(苦笑)お前等バカだよな…」
「ら?ぴぃ意味わ、か…は?何で泣いてんだよ?」
仁は頭に沢山ハテナを浮かべて俺を見てきた。
「俺もわかんねー」
心配そうな顔で見つめてくる仁が
少し憎くて
憎めなくて
亀が愛しくて
壊したくて
壊したくなくて
矛盾がゆらゆらせめぎあう
「わりぃ、仁」
矛盾の海に溺れた僕は
「あ、なに?」
禁断の言葉を
「俺本当は―」
君に伝えてしまうんだろう…―。
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