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You'll never
lose my love
─WILDS OF MY HEART─
コンサートが終わった後
俺達の間には
重苦しい空気が漂っていた。
普段なら
「大丈夫」
って言って無理する亀は
無理をする余裕もないみたいで
目が完全に死んでいた。
「…っかめ「…トイレ行ってくる」」
沈黙が苦しくなったのか、聖がきっと、亀に元気になってほしかったんだろう。声をかけたけど亀の言葉に遮られてしまった。
亀はそのままトイレの方向とは間逆に歩いて行った。
「かめっ!」
「……あれ重傷だな…。」
―コンコンッ
「はいっ」
―ガチャ
「没収したうちわ。持ってきました。」
「すいません。」
俺はスタッフの人からうちわの入った紙袋を受け取った。
「赤西っ、なんでんなもん持ってくんだよ」
「そーだよ!処分してもらえばいいじゃん!」
俺は田口と上田の声を無視して紙袋を逆さにして中身をばらまいた。
亀の写真のうちわに赤いテープで大きく×がしてあって、もう一枚には「死ね」って書いてある。
「なんで亀だったんだと思う…?」
「は?亀が嫌いだったからじゃねぇの。」
「赤西は何が言いたいわけ?」
「俺は…誰でもよかったんじゃないかと思う。」
「はぁ?」
「こいつ等…こんなことした奴等、人が傷つくとこ見んのがきっと好きなんだよ。」
「だから!何が言いたいんだっつうの!!」
聖が、ガンッ!と机を蹴った。
「すげぇ腹立つ。殺してやりたいぐらいムカつくけどさぁ……こういう生き方しかできないって、なんか…可哀相だよな……。」
「まぁ悲しいっちゃ悲しいか…」
「俺さぁ…今こんな状況になって今更後悔したけどさぁ、亀がぴぃとCD出すって聞いたとき、なんであんな嫉妬して妬んだんだろう…。表には出さないようにしてたけど、きっと亀は空気で感じ取ってたんだろうなって、今更気付いちゃった。なんで、思いやり持てなかったんだろう…。」
みんなも同じ気持ちだったのか、黙ってしまった…。
「っつーことで俺亀探してきまーす。あ、中丸。」
「ぁ?」
「そのうちわ。二度と亀の眼に映んないように抹消しといて!俺が帰ってくる前に。」
「(笑)はいはい。」
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