page4 「亀…ッ‥会ぃ…ッ、い‥―」 「なーに泣いてんだよ」 「っ‥‥か、め…」 鉄柱の向こうのブランコに 亀が座っていた 「もう泣かないでよ…」 「っスーツ‥ちゃんと着なくて、ごめんッ…」 「もういいよ‥?」 「謝らせてばっかりでっ‥ゴメッ…」 「もういいって。それより笑ってよ…」 亀が笑ってって言うから笑ってみたけど、上手く笑えてんのかよくわかんない。 やっぱり堪えきれなくて、歪みそうになったから俯いた。 「うん…大丈夫。仁、愛してるよ…」 「っ‥グズッ、俺もっ‥愛して‥‥」 顔を上げた時 そこに亀はいなかった。 月光で明るくなっていた公園が、また少し暗くなる。 「亀…ッ」 満月が少しの間だけ、俺に味方してくれたのかもしれない。 笑って 亀にそう言われたけど 今だけは 君を想って泣かせてください。 この月の 明かりの傍で… end. material:KODA KUMI/Moon crying [*前へ] |