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「亀‥」

「っ、じ‥ん…」


嬉しそうな顔をしたのも一瞬で、影ってしまった。


「仁、ちょっとこっち…」


亀は俺の袖を少しひっぱってから、テラスの方へ歩いていく。


「なんだよ?」

「‥そのジャケットのセットは?」

「あぁ〜‥俺ああいうキチッとしたのあんま趣味じゃないし‥これの方が俺らしいかなって」

「‥俺が選んだのは着れないって…?」

「別にそんなこと言ってねーじゃん。ジャケット着てんだからいいじゃん、何が不満なんだよ。」


また喧嘩になる

違う、こんな事言いたいんじゃない。


「こんな日ぐらい‥俺の言うこと聞いてくれても」


俺も謝りたい

昨日はごめんって

言いたいのに‥


「めんどくせ…」


逃げ出したくて

つい言ってしまった


「…もういい‥、もう帰っていいよ…」


そう言うと、亀は会場内へと戻っていって、挨拶のためにステージの方へと案内されていた。


「……」


俺はシャンパングラスをテラスのテーブルに置いて会場を後にした。


俺は、明日謝ろう

そう思っていた
































―ガチャッ!!




俺の目に映るのは


泣き腫らしたメンバーと




目を閉じて

眠る…




「ぁ‥かに‥しっ‥グズッ」

「…嘘だろ‥」


聖の声を無視して、
亀の傍へ歩いていく。


「っ昨日‥ホテ、ル泊まって……でも亀、やっぱ帰‥てッ、…赤西と‥グズッ‥仲直りしたいから‥って」


聖の言葉に、目の前が歪む。


「それっで‥帰、りに…車に‥っ!」


亀の顔には、微かに掠り傷がついていて、傷の上に涙が落ちた。


「‥んでだょ…ッ、こんなことっ‥‥っ、何でだよ亀!!!!目ェ開けろよ!!!!なぁっ‥!ごめんって!好きだって…!言わせろょ‥!…言いたいことっ‥ぁんのに‥っ――か、め‥ッグズ…」


いくら叫んでも

いくら身体を揺すっても

亀は目を開けてくれなくて

頬を触れば冷たくて

キスをしても

微笑んではくれなかった




.

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