gage5
「っく‥さぃ、あく…ッ‥マジ、ありえな‥っ」
「……ごめん。…ごめん。……なんか、拭くもん」
「っいい!自分で、やるっ…!」
「っ…」
そう言って亀は俺を睨んだ。
それでも亀の涙は止まんなくて、あまりにも淫らな格好にその涙と睨みは逆効果で、思わず手で口を塞いで本能を必死に押さえた。
「(俺、何ドキドキして…っ。さっきあんなことしちゃったからだよな…そうだよ、な?)」
「赤西、」
「っ、あ?」
顔を向ければ背を向けていて、鼻をすする音がした。
「今日のこと、忘れろよ…」
「っ……ぁ…」
「俺、風呂入るから……っ、」
そう言って亀は立ち上がったけど、立ったのも一瞬で床にそのままへたれこんでしまった。
「っ、亀…」
俺は慌てて駆け寄って、亀の前にしゃがみこんだ。
「無理すんなよ…」
「っ何かしないと自分の声とか思い出してヤなんだよ!!」
亀はフルフル震えてて、もう謝ることしか出来なかった。
「マジ、ごめん…。あんなん、レイプしたのと同じだよな…。」
「違う、…赤西が悪いとか‥そう言うこと、言いたいんじゃないッ……」
「え…」
「恥ずかしくて、感じてた自分が気持ち悪くてっ…だから……」
「‥‥俺、好きだよ」
「ぇ‥」
「亀の声、好きだよ……お前に久々に“仁”って呼ばれて、スゲーヤバかった。‥気が狂いそうになった。」
真剣に言えば亀の顔はみるみる真っ赤になって、膝に顔を埋めてしまった。
「お前、‥マジありえない…//なんかそれ、遠回しに告ってるみたいだって…」
「…………」
「‥‥何黙ってんだよ//お前が言ったんだから俺は別に」
「そうかも」
「っはぁ!?」
亀は俺が言った一言に驚いて顔を上げた。
「俺、今日亀見てありえないくらい興奮してて……お前見て、欲情した。」
「なっ!お前バカ」
「好き…かも。」
「っ…!ぁ、ぇ…」
やっともとに戻りかけたのに、コンサート前に俺何言ってんだろ。
亀困ってるし。
.
[*前へ][次へ#]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!