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―コンコン


『KAT-TUNさんもうすぐ本番でーす』


「はーい」


聖が大きく返事を返した。


俺達は今某生歌番組の本番にこれから向かうところだ。

いつもの様にメイクをし、いつもの様に髪を整え、いつもの様に衣装を纏う…。


まぁ、普通。

俺は…ね。



「亀っ、かぁめ!」

「ん゛ぁ〜…ハァッ…ッ‥ぅん…――」


覚束ない足。

眉間に皺。

浮腫んだ顔。


そう、亀は只今高熱真っ最中。

点滴を打つ暇もなかった亀は、今己のみを信じてウイルスと闘ってる。



立ち上がった亀はふらついて転けそうになったが、側にいた中丸と聖が慌てて支えて間一髪だった。


「あっぶねぇ〜‥」

「っ…ごめ‥」

「いや、いいけどさ…お前こんなんでマジで出んの?」

「……出るッ」

「でもこじらせてドラマとかに響いたらさぁ」

「大丈夫だって!…考えてるからッ‥」

「っ……」


中丸も聖も、田口も上田も、亀の言葉を聞いて心配な様な困った様な顔をした。


「…亀が言ってんだから大丈夫っしょ」

「赤西っ」

「お前他人事じゃ」

「お前等だって散々わかってんじゃん?亀の性格。」

「仁…」


風邪でトロンとした瞳で俺を見た亀に、俺は軽く頬笑んでコクッと頷いた。




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