page4 「かぁ〜めっ」 ―ギュッ 「っ!」 後ろからギュッと抱きつかれた。 「何にらめっこしてんの?」 なんか… 虚しくなってきた。 何でだろう? 何でそんなにくっつくんだよ。 なんでそんな急に…不安になるじゃん。 また、居なくなったりしないよね…? 「っなんでもない。早く自分の片付けてよ。俺準備しとくから…」 エプロン取りに行こうと仁の前を横切ったら… ―ガシッ 「…っ」 「そんな顔してなんでもないってなくね?」 「…だって、仁が悪い」 「はっ!?意味解んな」 「なんでっ‥!いきなり俺んとこなの…。」 「はっ?」 「今までそんな事なかったのに、用事もないのにコンビニとかついてきたり、ぴぃと遊ぶ約束後回しにしたり、さっきだって…いきなりキスなんて、今迄ありえなかった。だからっ…急にそんな態度されても、困るし…不安になる…」 「…かめ」 「…また、いなくなるんじゃないかって、なんかっそんなこと思っちゃったり‥」 「……」 俯いてたら、仁がゆっくりと抱き締めてくれた。 「っ仁…?」 「っごめん…。俺さぁ?実は帰ってきて初めてぴぃに会った日さ、殴られた。」 「え…?」 「『マジで殴ったら仕事に差し支えるからビンタにしといてやった』ってやられた後に言われたけど…。」 「なんで、ビンタなんか…」 「もう絶対亀をあんなふうに泣かせんなって、殴られた…。『お前が変わんなかったら、俺本気で亀の事狙いに行くから』って宣戦布告もされちゃったよ…」 苦笑も交じった仁の溜め息が聞こえた。 . [*前へ][次へ#] |