page3 「っ…亀?」 “俺はずっと生きてるよ 仁の心の中に” 「っ…。」 一枚の紙が空からヒラヒラ降りてきた。 “ありがとう。 愛してるよ” 何故だろう。 何故だろう。 涙が止まらないよ。 亀はいなかったんだね またフワッと 金木犀の香り。 「っ…亀…。」 導かれるようにして、 あの場所に行った。 走って 走って ボクラの出逢った あの場所へ 「っはぁ、はぁっ…」 ―ザワッ─────。 神風が吹く… 目の前には 枯れた金木犀の木。 俺は縋るようにして、 金木犀の木に触れた。 「亀っ…ぁりがとっ・・大好きだよっ…」 君が残していった 一冊のノート 吻では 「ありがとう」って紡いだけど、 ノートがあったら 君の笑顔や泪が溢れ出て忘れられないよ。 苦しいよ。 だからまた今度出逢う時代(とき)には、 俺より先に何処かに行ってしまうときは 何も要らないよ。 . [*前へ][次へ#] |