page1 今度急にいなくなる時は 何も要らないよ。 Letters。・゜.+ 亀と出逢ったのは 金木犀が香る 一際肌寒い日だった。 オレンジの夕日と 重なる君の横顔。 とても綺麗だったことを 今でも覚えてる。 君は喋れなかった。 だから俺らの会話は いつも筆談だった。 “おはよう” “おはよう” “朝ちゃんと食った?” “食べてない” “ホント食べないと倒れるぞ!?” “お腹空かない” “そんなこと言ってたら死ぬよ?” その紙を見た君はとても冷たい寂しい瞳をしたね。 そして 「此処に存在している意味が解らない」 そう云った。 「だから生きてても死んでも同じだ」 と。 君の瞳は完全に冷えきっていた。 「…一緒じゃねぇよ。」 「?」 「お前は一緒かもしんねぇけど、俺はお前いないと…ぃなぃと…‥」 一人にしたら消えてしまいそうだったから、思わず抱きしめてしまった。 . [次へ#] |