page1 「そいやこないだ竜にCD貸してもらったぁ…」 俺がトイレから出てくると、さっきまでコーヒーをのんでいた竜は小さな寝息を立てて寝ていた。 今は夕方。 俺が一番好きな時間。 なんでって? 俺の部屋、西日が入るしマンションの一番上だから夕日がちょーキレイにみえんの。 そこに竜がいると… 「キレイ」から 「綺麗」へと変化する。 今は夕陽に照らされながら子どもみてぇな顔して寝てる。 これが素の竜なんだって思うと、微笑ましくて顔が緩む。 そして俺は、親が子どもにちゅうするかのように、頭を優しく撫でてから頭にキスをした。 「んっ…」 竜がピクッと眉間にシワを寄せた。 「かぁ〜わいっ♪竜ちゃんっ(笑)」 そう呟いた矢先だった。 「…すけてっ」 「?(寝言…?)っりゅう?」 「ゃ…ッ‥ゃ、めっ…」 「っ竜?」 布団のシーツを強く握り締めていて、呼吸が荒れてる。 「ちょっ、ぉい竜…!」 「…ッ‥隼人‥――っ!!」 「竜っ!!」 こんなふうに俺の名前を呼ぶ竜はみたことなかったから、ビックリして、怖くなって、思わず竜の肩を掴んで竜を揺らしてた。 「!!‥ッ‥はっ、ゃと…っはぁ‥はぁっ」 俺が呼びかけると、バッと目を見開いて竜が目を覚ました。 額には汗が滲んでいて、息遣いは荒かった。 それに… 何かに脅えるような顔で、目が潤んでいた… . [次へ#] |