[携帯モード] [URL送信]
page2





―ガチャン



「っ……?…‥!」


いつのまにか俺は寝てたみたいで、竜が玄関のドアを開けた音で目が覚めた。



「りゅ「にゃあ」…ぅ?」



にゃあ・・・?



玄関から来たのは、

金に近い茶色い毛なみの

細くて

ちょっと

ハスキーががった

声の猫



「りゅう……?」

「にゃあー‥‥」



ほんとに猫になってしまった。



だって、この猫の前足の右足首には、お揃いで買ったピンキーリングが嵌められている。


竜を呪ったことを、今になって後悔した。

こっちに竜は寄って来て、俺の右手の指先を、ザラザラした舌で舐める。すると上目使いで俺の顔をちらちら伺う。


sexしてるときの竜の癖がそのままでちょっと可笑しくて笑ってしまった。
笑ったことを不思議に思ったのか、猫の竜が無邪気な顔で俺の顔を見つめて来た。


このままでもいいかも


なんてちょっと思ってしまった。

紐つけて散歩したいなぁ〜…。なんて。



だけど俺は重大なことに気付いた。



「竜とエッチできないじゃん!!」



あぁぁぁああぁああ!!

なんっっで竜にだけ俺呪いかけちゃったんだ!?!?

俺の馬鹿阿保茄子カス!
それに…本能しかない猫なら、もっと解り合えるかもしんねぇじゃん?
なんて真面目に語ってみたり。


「でもどうやったら猫になれんの?」


自分で呪いかけるなんて聞いたことねぇぞ。



「竜ごめんなぁ〜。」

「にゃあ〜…」



やっぱり人間がいい。
せっかく人として生まれたんだから、俺が悪くていいから、ちゃんと謝りたい。



なぁ、

竜帰って来てよ。

お前の笑った顔とか

不機嫌な顔とか

恥ずかしそうな顔とか

俺みたいよ。


「にぃ〜…‥」


屈託のない声で竜が鳴いた。


「りゅ〜…っ」


なんだか涙が出てきた。

泣いたって何の解決にもなんねぇのに。

アレ?
俺ってこんなヘタレだっけ?


「りゅう〜…ごめんって…‥っなぁ〜…人間のお前がみたいょ…」



俺は何回も何回も

猫の竜に謝った…





.

[*前へ][次へ#]

2/3ページ


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!