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だけど

ふたりの仲は今より

悪くならないように…










       *猫になれ*











些細な喧嘩。

竜が泊まりに来るっていうから(っつうか来いって言ったんだけど)親父に帰ってくんなっつって拓にもダチんとこ転がり込んどけって言って。
竜はいつもよりか機嫌が良くて、晩飯俺の好きなもん作ってやるって言ったからペペロンチーノをリクエストしといた。

で、家に来た第一声


「ごめん。普通のミートになった。」


俺の頭はペペロンチーノでいっぱいだったのに。
イラッときたけど竜に強く言えない俺は、ブツブツ独りで呟くように文句言ってた。

そしたら、


「はぁ…。」


と、スーパーの袋をテーブルの上にドサッと置いて一息ついたら


「っりゅう、ちゃん…?」


―ガチャン


出ていってしまった。



またやっちった。



いつもだったら機嫌悪いですって顔すんのに、呆れた顔された…。

嘘でも竜の口から『別れよ』なんて聞きたくねぇ。

なのに負けず嫌いな俺は、追い掛けない。


ソファーの上でクッション抱えて、戻ってこないかもしれないなんて不安を紛らわすために、テレビをつけて目を閉じた。
竜に強く言いたいよ?

俺はペペロンチーノがよかったんだよ!

とか

俺の言う通りにしろ!

とかさぁ〜。

でも竜、あぁ見えて実はすげぇ繊細だから、あんまり強くは言えない。

そんな俺を知ってか知らずか、あぁいう態度とるもんだから、実は俺、振り回されっぱなし。

あぁ〜。
魔法か何か使えたらなぁ〜…。
竜に呪いでもかけんのに。
あ、呪いっつっても恐いやつじゃねぇよ?


ん〜……

猫になるとか?

うん、それいい。

猫にしてしつける!
俺の傍にずっといろとか、怒鳴るとか。

あ、でも今より仲は悪くならないように……




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あきゅろす。
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