page2 「っ!?」 外で花火が上がった。 冬に花火なんてロマンチックこの上ないことする奴なんか、一人しかいない。 俺は窓を開けて身を乗り出した。 「っ………ぁきら‥‥」 「ッチュ。コンッ♪はっぴぃーばぁーすでぇーなのよォ〜ん♪」 俺は急いで下に降りようとした。 「まって!!」 「っ?」 「修二に誕生日プレゼントだっちゃ」 「っ?………!」 彰の後ろから、 小さな人影が現れた。 上を向いたその人は 「野ブタ……」 「野ブタパワー…、注入っ!」 俺は急いで下におりた。 「っはぁ‥っはぁ……野ブタ…?」 「っ‥ぅ、うん……誕生日っ‥おめでとう」 「ありがとぅ……」 「ちょぉっと!俺にお礼は?」 そう言ってキスを待つ彰の不細工な顔。 そんなの思うツボだと思って、彰をそのままに話題をそらす。 「どうして野ブタ、ここに?」 「ぅおい!」 「ぁ…彰っ!に、修二のバースデー祝おうだっちゃ……コンッ‥て、言われて……」 「彰……」 「修二だって、こないだ『野ブタどーしてるかなぁ‥また三人でバカやりたいなぁ』って言ってたじゃん?だぁかぁらっ♪」 彰…… あんな独り言みたいに小さく呟いたこと、ちゃんと聞いててくれたんだ。 今言ったら調子に乗るから言わないけど、 ありがとう。 . [*前へ][次へ#] |