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―ピーッ。
風呂の方から沸いたのを知らせる音が聞こえた。
「仁、お湯湧いたから入ってな?」
「おう。」
「パジャマは兄貴の出しとくから」
「あいよー。」
―ザバー…‥
湯舟のお湯が溢れ出す。
亀が気を利かせてくれたのであろう、入浴剤でお湯が真っ白になっていた。
「亀の匂いする…」
シャンプー何使ってんだろうとパッケージに目をやったら…
“Sala”
あとトリートメントとかパックとかやたらごちゃごちゃ置いてあって、ほんとに男ばっかりの家か疑った。
「っふぅ〜…亀あがったぁ‥」
かくんかくんしながら寝てた。
かぁ〜わぃ。
「……好きだから…絶対守ってやっからな…」
亀の可愛い寝顔を見ながら誓った。
「んっ…」
「あっ…」
ジィ〜ッと亀の顔見つめてたから、目ぇ覚ました亀とバチッと目が合った。
「わっ‥!ごめっ、寝ちゃった‥//」
「いやっ別に…//;;」
「っ俺、風呂入ってくる!;」
「ぉ、おう…;;」
「「(危なかったぁ〜;;)」」
√Kside
寝ちゃってたみたいで、パッと目が覚めたら上半身裸で肩にタオルかけて、髪の毛からポタポタ滴がたれたまんまの仁がいて、ビックリして顔が真っ赤になった。
一瞬見た夢に仁が出てきて…
こないだの電車の時抱き締められたのを、また夢で見て、安心できて、背中に手回してた。
で、目覚めたら仁がいたから顔が熱くなった。
なんであんな夢
見ちゃったんだろう…
『仁はっ‥女の子好きだよ‥な?』
『っ…あったりまえじゃん(笑)何言ってんだよ』
後悔なんかしなくていいのに
あんなこと聞かなきゃよかったと
後悔と切なさで胸がいっぱいになった。
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