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「そーいや、亀の先約誰だったんだろ」
中丸が思い出したように言う。
「横尾あたり何じゃん?」
上田が興味なさげに答える。
「そーか……俺は横尾より下なんだな」
中丸が寂しそうに答えた。
ってか先約なんだから普通にそっち優先だろ。
裏から外へでるために駐車場を歩いてたら、向こうから車が入って来た。
あの車……
車は近くの空いてたスペースに駐車して、中からドライバーが出て来た。
「あ?あれ……山Pじゃね?」
中丸が言ってほしくない単語を言った。
誰かに電話してる……。
『ごめん、先約入ってんだ。』
『迎えに来てくれるから…』
電話の相手は
多分亀だ。
胸が痛い。
苦しい。
「じゃね──‥?あっ」
電話を終えたぴぃがこっちに気付いた。
「仁っ」
「亀の先約って山Pだったんだ」
「中丸……勝ち目ないよ」
上田が中丸の肩に手を置いてため息交じりに言う。
「えっ?どうしたの?」
「いゃ、さっき亀を飯に誘ったら先約あるからぁ〜って断られて」
「そうなんだっあ!」
ぴぃが笑顔で向こうに手を振ってたから、俺達が振り返ると亀が小走りでやって来た。
「じゃあ、俺達行くわ」
「おぅ!じゃあなぁ〜」
中丸が言うと、二人はぴぃの車に乗り込んで、なんか笑顔で喋ってる。
もうなんか
飯食い行く気分じゃねぇよ…
「聖……やっぱ俺」
「ダメ。」
「は?」
「今だから余計に、やっぱ止めとく。は無し。行くぞ。」
そのまま聖が歩いていくから、ついて行くしかなかった。
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