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「んなことあるワケねぇだろ!!!!!!」
「っ!?」
―シン…──
独り言のはずがあまりの衝撃に怒鳴ってしまった。
上田もスタッフさんも目ぇまんまるにして固まってしまった。
「あ…ごめん。俺なに怒ってんだろ……ハハッ(笑)」
笑ってみたけど、乾いた笑いにしかならなかった。
「…っそうだよ何怒ってんの?変なヤツ(笑)ほらスタッフさんも固まっちゃっただろ〜?」
「あっ;すいませーん(汗)」
そこからは、普通に仕事をこなしていった。
撮影が終わって、楽屋で個々に着替えをすませてもう皆帰ろうとしていた。
「じゃあお先〜」
そう言って一番最初に楽屋を出ようとしたのは亀だった。
「ぁ、亀っ!」
「っ?」
帰ろうとしていた亀を慌てて呼び止めた。
『亀、今日飯誘おうとしてたんだよ?お前のこと。』
『でも、山Pんとこ行っちゃったけど。』
恐かった。
このまま帰したら、
ぴぃんとこ行っちゃいそうな気がした。
だから思わず呼び止めてしまった。
「っ何…?」
「ぁの…あのさ……俺ん家来ない?」
「へっ?」
『飯行かねぇ?』とか他に場所あったろ俺!!
なんで俺ん家なんだよ!
でももう後には引けなくて、手のひらをギュッと握って亀の顔をじっと見つめてた。
「…っいぃょ。」
「っ‥じゃあ一緒帰ろう。ちょっと待って、俺着替えるから」
少しビックリしたような、少し怯えたような亀の声に少し罪悪感みたいなモノを感じたけど、とりあえず断られなくてよかったと一息ついた。
何ヶ月ぶりだろう。
亀と一緒に帰るのは。
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