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side K
『お前昨日と服一緒?』
動揺しすぎて、思わず嘘をついてしまった。
別に「ぴぃん家に泊まった」ってだけ言えばいいのに。
そんなの、別に普通な事なのに。
衣裳に着替えながら自己嫌悪に陥った。
『昨日さ‥
ぴぃん家泊まった……?』
でも…
どうして赤西だけ…
一番知られたくない相手に、図星を突かれた。
イヤな汗が滲む。
ぴぃん家でお風呂をかりたときに、身体をくまなく見たら…
案の定。
ぴぃがつけたのであろうキスマークの痕が、首筋の耳の裏らへんにくっきりとつけられていた。
思わず触ってしまう。
触り過ぎると逆にバレるだろうと思うのに、気になってどうしても触ってしまう。
「亀どうした?」
「えっ?」
首を触り過ぎたみたいで、気付いた上田に呼び止められた。
「首、どうしたの?」
「あぁ〜…っちょっと、寝違えて(汗)」
「ふぅ〜ん…」
上田は何か言いたそうな感じで楽屋を後にした。
嘘をつくたびに罪悪感が迫って来て、こんなことになるなら酒なんか飲むんじゃなかったって、今更ながらに後悔した。
それから何事もなく撮影は順調に進んだ。
side J
カメラのシャッター音。
カメラマンの「いーねー」とか「肩組んでみてー」ってゆー声。
その前でいろいろポーズを適当にとる俺と上田。
すると、上田が俺に小声で話かけてきた。
「なぁ…赤西」
「あ?」
「亀あれ絶対なんか隠してるよ」
ズキッ
「っそーか?よくわかるな」
「だって亀わかりやすいもん(笑)ずぅっと首触って」
クスクス笑いながら喋る。
「えっ?」
「えっ?て(笑)赤西が気付かないなんて珍し〜。絶対キスマついてるよあれ(笑)亀もちゃっかりだな〜(笑)」
上田はきっと女の子とHしたって考えてるけど、俺は想像してしまった。
ぴぃに抱かれてる亀を。
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