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side P
「ぁ…やだっ、ァ‥んっぴぃ…」
鳴いていた。
「っ……亀ッ‥」
俺の下で亀は
妖艶な声色で
鳴いてた。
「っ……?」
夢から目が覚めると、愛しい亀の姿。
行為後風呂に入らず寝たから、少し汗クサイ亀の髪の毛。
その匂いさえも愛しく感じる。
そんな想いに浸っていると、亀が盛大なため息をついた。
「…かめ……?」
声をかけるとビクッと肩が震え、そのまま動かなくなった。
「ぁの…ぇ、と……ごめん……」
「……」
亀は黙っていて、怒ってると思った。
そりゃあだって、男に突っ込まれりゃショックだよな。。。
だけど
俺が予想してなかった言葉が返ってきた。
「ぅうん。俺の方こそ、ごめん」
「…ぇ?」
「ぴぃだけが悪いんじゃないよ……抵抗しなかった‥俺も悪いんだし…」
語尾がだんだん弱まっていく亀の声は、いつもよりハスキーがかって、切ない色を増していた。
しばらく沈黙が続いた時、亀から口を開いた。
「‥っねぇ……」
「ん…?」
「無かった事にしよう…?」
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