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side P
あれからほろ酔いの俺と完璧に酔ってる亀は、テンションが上がって来たせいか野ブタ。が観たくなって、1話から最終話まで観ようとしている。
「あぁ〜確かこれデートするヤツだよなぁ。」
亀がカタコトで喋る。
ソウダヨッて彰みたいに高い声で言ったら、亀がチュッってしてコンッてしてきたもんだから、鼻血が出るかと思った。
「ぅわぁ〜しゅーじとぁきらちょぉラブラブじゃん」
呂律が回らない舌で亀が喋る。
ちょうど屋上で野ブタとシッタカの真似をする修二と彰のシーンだった。
あの時のことを思い出すと、ガッと脈拍が速くなる。
あのとき何回事故と見せかけて口唇を奪いたいと思ったか。
そんなことを考えてると、亀がポツリと呟いた。
「俺……キスしたくなってきた。」
え……?
「ぇ‥亀、何言ってんの?」
「ん〜…何かそんな気分になったっ………」
笑顔で振り向いた亀。
もう、我慢の限界だ。
そう訴えた俺の理性は
見事に崩れ去った。
「………ぴぃ?」
「…ごめん、キスしたいって言ったから…しちゃっ‥た……」
「ぅん…」
伏し目がちに喋って、ぅんと言った亀の顔を見たら、亀と視線がぶつかって…
もう一度
柔らかな口唇に
そっと口付けた。
亀は逃げない。
多分酔ってるから。
俺は
全部亀のせいにした。
全部亀のせいにして
押し倒して
亀を抱いたんだ。
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