page4/9
「じゃあ今日はココまで」
《ありがとうございました》
レッスンが終わって集中力が途切れると、とっくに帰ってるはずの空がまだその場にいることに気付いた。
「あれ、空帰んないの?」
「うん、どうせ亀と用あるし、赤西さん送っていってくれって。」
「そう、なんだ‥」
ちらっと赤西を見れば、点滴を射ったといえどやっぱり辛いらしく床に横になってた。
「赤西さん、風邪ぶりかえしますよ。」
「わかってる…」
床に横になってた俺に川崎さんが近づいてきた。
「…なぁ、さっき亀に話があるって言ってたけど‥」
「あぁ…、もう亀に素直になってもらおうかと…」
「は…?」
「…いいから早く起きてください。」
「っ……」
なんかこれ以上聞いちゃいけない気がして、黙って起き上がった。
「じゃあ、赤西さんあったかくして寝てくださいよ。」
「あぁ、はい…」
助手席に座る亀を見ると亀も俺を見てて、視線が絡まった。
「…亀、行くよ?」
「っ、うん…」
「じゃ、お疲れさま…」
俺がそういうと車は走り去っていった。
「亀?」
「ん?なに?」
運転をしながら空は俺に話しかけた。
「やっぱ‥元気ないよね」
「っ…なんか、今日疲れた(笑)」
「…私も、赤西くんのお守りばっかで疲れた(笑)」
「ふっ(笑)お守りね…、確かにっ。‥なぁ、」
「ん〜?」
「話って、なんなの?」
「…着いてから話すよっ」
チラッと見た空の顔は、なんだか悲しそうだった。
.
[*前へ][次へ#]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!