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「おい仁待て…!!」
「待てって言われて待つ馬鹿がいるかってのォォ━━!!!」
「っ〜‥本当アイツは逃げ足だけは速い!いったい誰に似たのか…おいっ!何をやっているのだお前達!!早く息子をひっ捕えるのだァァ!!」
[はい!]
「ッハァ、ハァッ…ぅわ何だよアイツ等!……」
んだよ!
ふざけんじゃねぇよ!
政略結婚なんか誰がするかよ!!!
しかも可愛くて美人で色っぽくてスタイルがいい女でもねぇ!!!
あんなのただの犬じゃねぇか!!!
狼のウルブ族っつってもこっちは姿形は人間なんだぞ!!!
こんな不平等な政略結婚あってたまるか!!!
「仁王子ッ!!!その部屋に近づいてはなりませんと王様から申し付けられてお」
「じゃあ追い掛けて来んな!ってか政略結婚なんかしねぇ!」
―バンッ!
「王子!」
その部屋に入ると、真ん中に光だけがあたっていて、その光が何処から来るものかも分からないくらい高い天井があった。
「王子!なりません!」
「うるせぇ!」
その光の中に入った。
「ハァッハァッ…!イカン!仁ッ!!」
―カッ…!
「うわっ…!!」
光が一層眩しくなって、目が開けていられなくなった。
それと同時に不思議な浮遊感に襲われた。
そして俺は、気を失った。
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