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この青く晴れた空の下で
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D1、S3と続いて、さあ次は彼の出番。

彼については、志賀も解っているので、説明を求めるような素振りも店内。
今度は楽でいいと思っていると、なんだか寒気を感じた。ぶるりと1度震えて、寒さの元を探すと、どうやら自分の隣からくるらしい。

っていうか、自分の隣って!

恐る恐る隣に立つS2の選手、東城を見て、宇井は後悔した。

やだ何この人、すごく不機嫌なんだけど!
何この氷点下!?ここって南極北極!?

顔から完全に表情が消えている東城に、震えは止まるどころかもっと酷くなって止まらない。風邪でもひいたかなーなんて軽く現実逃避してしまう程、怖かった。


「と、東城君…?」


しまった。どもったし声が裏返った。
だらだらと背中を流れる冷や汗が止まらない。先輩の威厳やプライドを総動員させたところで所詮そんなもの。
自分に向けられた視線に、肩が大きく跳ねた。


「いってきます」
「い、いってらっしゃぁーぃ…」


消え入りそうな声で東城を見送った宇井は、その場に崩れるようにして座り込んだ。その様子を見ていた志摩とテンプルは宇井を気遣う――筈もなく、むしろ梅ヶ丘にみとれていた罰だと笑っている。
ちなみに力なく座り込んだ彼女は、まるで魂の抜け殻だったと後に桐生と志賀は語る。


「そういえば東城の奴、さっき、女子の声が耳についてイライラすると言っていたな」
「…桐生君、そういうことはもっと早く教えてください」


じゃなきゃこっちの身がもたないから!

心の中で叫んだ宇井は、コートの方を見た。梅ヶ丘のS3は堤で、宇井が1番楽しみにしていた選手だ。
だけどもうそんなのどうでもいい。
今は、一刻も早くこの試合が終わってほしいと願うだけだった。

そんな宇井の願いが通じたのか、それともよっぽどうっぷんが溜まっていたのか。どちらか解らないが、S3は10分程で東城に軍杯があがり、蒼夏高校の関東大会進出が決定。


こうして都大会1日目は幕を閉じたのであった――

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