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バーンビート
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バーンビート達にとっては不都合なことに、キーストーンのエネルギーはちゃくちゃくと蓄えられている。このままではエネルギー充填までそうかからず、ビッグバン発生装置が作動してしまい宇宙が滅びてしまう。
そんなこと、何が何でも阻止しなければならない。


『ガルバトロス様の邪魔はさせん!』


ギアーズはミサイルを一斉発射させた。ミサイルの雨にスカイヤーズは身動きができず防御一徹、そんな中、ミサイルの雨をかいくぐりプロファイターがファイターランスを振りかざす。


『ファイタースパイラル!』


プロファイターの必殺技、ファイタースパイラル!
高速回転させたファイターランスで敵を貫くプロファイターの必殺技だ!
数々の敵を倒してきたこの技に、プロファイターは絶対の自信があった。ギアーズもこれで倒せると確信する。
が、ギアーズはファイターランスを受け止めた。


『こんなもんで倒せるか』


ギアーズに掴まれて、ファイターランスの高速回転が止められた。
プロファイターが怯んだその一瞬をギアーズは見逃さない。掴んだファイターランスをプロファイターもろとも投げ飛ばしてプロファイターは壁に激突する。


『プロファイター!このっ!!』


激怒したスカイヤーズは胸のパネルを外す。スカイヤーズの必殺技、ウイングカッターだ。
風を切って向かってくるウイングカッターを、ギアーズは体の向きを変えて軽くかわす。
これでウイングカッターも通じないのが解っただろう。
ギアーズはほくそ笑む。
決め技を封じられて、プロファイターもスカイヤーズも打つ手がない。呆気ない。宇宙防衛機構軍も終わりだ。


『まだ終わらせない!スパイラルフィニッシュ!!』
『何!?』


高密度エネルギーをまとったファイターランスがギアーズの脇腹を貫いた。
どこにそんな力を残していたのだと傷口を抑えるギアーズに、スカイヤーズの追い打ち。


『ウイングハリケーン!』
『うわああああっ!』


竜巻に飲み込まれたギアーズは絶叫をあげた。スカイヤーズのジェットパワーが竜巻を生んだウイングハリケーン。
スカイヤーズの隣に降り立ったプロファイターは、ファイターランスを握り締める。


『スカイヤーズ!我々、宇宙防衛機構の意地を見せつけるぞ!』
『ああ!ここで終わらせてたまるものか!』


先程までギアーズが優勢だったが、プロファイターとスカイヤーズの渾身の一撃でギアーズも相当なダメージを負わされた。勝機は五分五分。
しかしギアーズはこの状況に臆せず、そうこなくては面白味に欠けると笑っていた。簡単にこの戦いを終わらせてしまえば、今までの借りが返せない。


『こい!プロファイター!スカイヤーズ!』


ギアーズの胸がざわつく。

もっと戦いを!
もっとスリルを!
ぶつかり合う魂と魂の咆哮を!





『バーニングソード!!』
『ローエングラディス!!』


激しくぶつかり合う剣と剣。
ビッグバン発生装置の前では、バーンビートXとガルバトロスが戦っていた。
何度目かのぶつかり合いで剣を弾いたバーンビートXは後ろに飛びのき、間合いを取り直す。
自分とガルバトロスの力は互角、しかしガルバトロスの武器は剣のみ、間合いさえ取ってしまえば決して倒せない相手ではない。
バーニングバードアタックで攻撃すれば、必ずガルバトロスはダメージを食らう。
そこを狙えば!
バーンビートXが冷静に分析していると、見透かしたようにガルバトロスが笑った。


『まさか俺がこの程度だと本気で思っているのか?』
『!?』


直後、バーンビートXは壁に衝突した。強力な何かがバーンビートXを直撃したのだ。瓦礫の中から体を起こしたバーンビートXは、その何かを探す。
それは直ぐに見つかった。ガルバトロスが剣を握るのとは逆の手に、大型の銃が握られている。見た事のない武器ではあるが、その威力はたった今身をもって知らされた。

こんな武器を隠していたなんて。

卑怯だと訴えるバーンビートXの表情に、ガルバトロスは『戦いとはこういうものだ』と見下す。


『終わりだ』


ガルバトロスが引き金を引こうとしたその瞬間、バトルクロウが乱入した。予期せぬ乱入者にガルバトロスの注意は逸れ、バーンビートXはその隙にミサイルで反撃すると瓦礫の中から脱出した。
ミサイルを受けたガルバトロスは『小癪な』と呟き、バトルクロウに目を向ける。

コックピットをスキャンすれば、ディアとアブロの他にもう1人いるのが判り、人質にした人間だと予想はついたが、それにかまけている暇などなかった。

ビッグバン発生装置が強い光を放ったのだ。



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あきゅろす。
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