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バーンビート
5


『あーっ!!』


いきなり大声を上げたバーンビートXにシェリフ達は驚いた。
一体どうしたんだと尋ねようとして、彼等も同じように『あ!!』と声を上げる。


『『『『トウヤとレスキュー!!』』』』


2人のことをすっかり忘れていた。レスキューからの最後の通信は、助けを求めるもので、バーンビートX達は慌てふためく。


『と、とにかくレスキューから送られてきた通信電波を辿ろう!』
『急がないと、レスキューはともかくトウヤがヤバいだろ!?』
『ねえ皆!こっちに反応があるよ!』


レスキューの救援シグナルをキャッチしたスカイヤーズが、手を振って合図するのをバーンビートX達は全力でダッシュ。全員で必死に救援シグナルの発生源を探して、やっと特定できた。

スカイヤーズのチェーンフックに捕まり、ようやく砂の上に出られたレスキューだが、どうも様子がおかしい。
一体どうしたんだ?と誰もが心配しているとレスキューは弱弱しく『トウヤが』と言う。


『さっきからトウヤが動きません。恐らく、酸欠で…』


それ以上のことは言わせないでほしい、とレスキューが言葉を切るといつの間にか合体を解いていたガルーダが、レスキューの運転席に座るトウヤを覗き込む。


『トウヤ、グッスリ眠ッテル。気持チヨサソウ』
『はい?』


なんですって?と信じられないレスキューは、トウヤの呼吸と心拍数と確かめた。どれも正常、確かに寝ている。
では、あの体温の上昇は眠たかったから?


『……』


レスキューは沈黙を続けていて、彼が何か勘違いをしたんだと悟ったシェリフは、『あー…』と言葉に迷いながら言う。


『エジプトと日本の時差は7時間だから、日本は今頃夜だな』
『つー事は、睡眠欲に負けたってことか?』
『多分』


ファイヤーの言葉を肯定すると、ファイヤーからは『夜になったら眠たくなるなんてやっぱガキだな』と笑い声があがる。
スカイヤーズも『子供だなー』と腹を抱えて笑っている。

いやいや、君達も精神年齢はそう変わらないでしょとツッコミを入れたいところだが、残念なことに担当のトウヤが寝ている為それはできずに終わった。


『トウヤ、起きてくれ』


バーンビートが声をかけると、トウヤはもぞもぞと体を動かして目を覚ました。

どうしてレスキューの中で寝ているんだろうと寝起きの頭で考えるトウヤだが、バーンビートやシェリフが自分を囲んで見ているのに気付いて「うお!?」とのけぞった。一瞬で目覚めたのは言うまでもない。


「バーンビート!つー事は、俺達助かったんだ」


よかったーとシートに持たれて安堵するトウヤに、レスキューが『すみませんでした』と謝る。ロボットモードなら間違いなくしょぼんと肩を落として謝っているのだろうが、どうしてレスキューが謝るのか、その理由に心当たりがないトウヤは首を傾げた。


『私がもっと早く流砂に気づいていれば、飲み込まれずに済んだんです。すみません』
「そんなの全然気にしてねーよ。ジェットコースターみたいでちょっと楽しかったしな。あ、それより!俺、キーストーンの隠し場所が解ったかもしれない!」
『本当かトウヤ!?』


バーンビートにトウヤは力強く頷いた。

まだ誰にも見つかっていないナイルの太陽はキーストーン。

流砂に飲み込まれた時、レスキューはこの辺りには小さな地下洞窟がいくつもあると言っていた。
その2つを踏まえて考えれば、答えはひとつ。








『あったぞ!!』


バーンビートが砂の中からひし形の石を見つけた。緑に輝くひし形の石は間違いなくキーストーン。

四方に散らばっていた皆から、わあああ!と歓声があがる。


『“キーストーンは地下洞窟にある”トウヤの言ったとおりでしたね』


レスキューが言うとトウヤは得意そうに笑った。


「だろ?ソウタがナイルの太陽は、王様が誰にも見つからない場所に隠したって言ってたんだ。砂に埋もれた地下洞窟じゃ誰にも見つかりっこないよな」


レスキューが流砂に巻き込まれたから思いついたこと。ピンチだと思ったことも、それは意外とチャンスへの道標だったりするのだ。


『よしこれで4つ目だ。ガルバトロス達より先に全て見つけるぞ!』
『『『『おーっ!!』』』』


バーンビートの意気込みに続いて、仲間達も拳を空に突き上げた。


残るキーストーンはあと2つ――







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