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バーンビート
4


誰か!誰か!誰か!バーンビートを助けて!

トウヤが強く願ったその時。


――ガキィンッ!!


まばゆい光を放つ何かが、バーンビートとガルバトロスの間に割って入った。


『何だ!?』


あまりにも強い光に、ガルバトロスは思わず剣をひいて後ずさった。
なにかがバーンビートにとどめを刺すのを邪魔したばかりか、その光はバーンビートを照らし、傷ついたボディを直していく。これにはバーンビート自身が1番驚いていた。

全ては目の前で起きている出来事だが、誰もが信じられない。バーンビートとガルバトロスとの間にある光を見つめていると、光は徐々にその姿を現す。

鳥だ。光の中から現れたのは、巨大な鳥のロボットだ!


「あれって!」


トウヤが振り返ると、やはりさっきまでそこにあった神鳥の石像がなくなっていた。ということは、鳥ロボットの正体はあの石像?

鳥ロボットは一声高く鳴くと、その形を変え始めた。
バーンビート達がビーグルモードからロボットモードへ変形するように、この鳥ロボットも変形できるのだ!

足と鍵爪は伸びて新たな下半身を作り出し、展開した腹部が胴体と手に分かれる。最後に、大きく開いたくちばしから顔が現れてロボットモードへの変形が完了した。

真っ赤な羽を広げて、金色の光るボディをもつロボットは。


『ガルーダ!!』


と叫ぶ。


『新しい仲間なのか?』


起きあがったバーンビートの問いに鳥ロボット、ガルーダは頷いて肯定する。
ガルーダこそ、ガルバトロスが探していたガーディアン。封印から目覚めてしまったかとガルバトロスは忌々しげに舌打ちをして、大剣を振りかざした。


『まとめて始末してくれる!』
『サセナイ!』


広げたガルーダの翼からは、無数のエネルギービームが発射されてガルバトロスを返り討ちにした。ガルバトロスが攻撃を受けている隙にガルーダは、バーンビートを担いで空に羽ばたく。もちろんその間もエネルギービームでの攻撃は続けられている。


『ガルーダ、ありがとう助かった。しかし今の私ではガルバトロスに太刀打ちできない…』


己の非力さに歯がゆささえ覚える。私にもっと力があれば…!
するとバーンビートの心を読んだように、ガルーダが『大丈夫ダ』と答えた。


『ガルーダ、バーンビート、合体デキル』
『なんだって!?それは本当か!?』


ガルーダはしっかりと頷く。


『おのれ、こしゃくな!』


攻撃に耐えかねたガルバトロスは、剣を大きくふるう。剣を伝わってガルバトロスのエネルギー波が、バーンビートとガルーダの間を引き裂いた。


『これ以上モタモタしている暇はないな。いくぞ!ガルーダ!』
『了解!』
『『チェンジアップ!!』』


バーンビートとガルーダが背中合わせになると、ガルーダが分解されて新たな四肢パーツを作り出す。バーンビートはそれらと共に胸に鳥の顔を、最後に背中には翼をドッキングさせて、新しい姿になった。


『バーンビートX!!』


白と赤のコントラストが眩しい輝きを放つ最強のロボット、バーンビートXの誕生だ。


『バーンビートX…』
『凄い!凄いよバーンビート!』


バーンビートの新たな姿、バーンビートXにプロファイターとスカイヤーズは感嘆の声を上げた。
バーンビートXに感化されたプロファイターとスカイヤーズは、気合いを入れ直して、それぞれの相手に向き合い、武器を構え直す。


『バーンビートが復活したんだ』
『僕達も頑張らないとね』


意気込み新たな彼等に、ギアーズとパイロンは圧倒された。



『ちっ、封印がとけてしまった上に合体されたか。しかしすぐに永遠の眠りにつかせてやる!』


ガルバトロスのキャノン砲がバーンビートXに向かって撃たれる。確かな手ごたえに口角を吊り上げたガルバトロスだが、バーンビートXが傷一つおっていないのを知ると『何!?』と驚きの声を上げた。


『バカな!このキャノン砲をくらって無事でいられる筈がない!』
『私はお前を倒すまで負けるわけにはいかない!』


バーンビートXは翼を羽ばたかせると、一直線に降下、バーニングソードでガルバトロスに切りかかった。ガルバトロスはバーニングソードを受け止めるも、さっきとは全く違う威力に大剣を強く握り直す。

このままでは負けてしまう!?
そんなことがあってたまるか。

ガルバトロスは渾身の力でバーニングソードを弾き飛ばすと、キャノン砲を発射させた。バーンビートXはキャノン砲を全て回避すると、今度は自分の番だと、胸の鳥にパワーを充填する。
開いた鳥の口には、みるみる間にパワーが集まり光の球となる。


『バーニングバードアタック!!』


発射された光線は真っ赤な鳥の形となり、ガルバトロスに命中。
爆音を轟かせ、やがて土煙が収まってくると、そこにガルバトロスの姿はない。


「すっごい!バーンビートやったじゃん!」


ガルバトロスがいないのを見て、トウヤはついに倒したとはしゃいでいるが、バーンビートX喜ぶどころか、悔しげに首を振っている。


『いや、ガルバトロス達は逃げただけだ。次こそ倒してみせる』


拳を強く握って誓うバーンビートに、同じく敵に逃げられたプロファイターとスカイヤーズも頷く。

夕焼け色に染まった町はようやく静けさを取り戻した。しかし、彼等の戦いはまだまだ続くのだ…。


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あきゅろす。
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