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居酒屋で恋して
居酒屋で恋して 4


さ、酒臭い!
何なんだよ?
このオッサンは!



気持ち悪くなって来たので、僕はオッサンを突き飛ばして身体を離し、僕にしては珍しく激情のままに文句を言った。



「近付くんじゃねぇよ、オッサン!とっとと帰りやがれ!この酔っ払い!」



そのまま店の中に入ろうと後ろを向いたら、背後からオッサンに口を塞がれ抱き抱えられた。



「う゛っ!?ううっ!」



「騒ぐんじゃない。君の可愛らしい顔から汚ない言葉なんて聞きたくないよ。」



オッサンは僕の耳たぶに唇をつけてそう言い、次に舌を耳の中に入れてきた。



「ひゃっ!?」



気持ち悪い!
吐きそうだ!



僕はあらん限りの力を振り絞って身体を動かし暴れたけど、オッサンには敵わなくて腹部にパンチを入れられて気絶させられた。

意識が飛ぶ前に僕は颯人さんを呼んでいた。



『颯人さ、ん・・・助け・・・て。』





 ※ ※ ※ ※





店の片付けを終わらせてから、ガスの元栓や電気のスイッチを切ってあるか再度確認した。



「よし、大丈夫だな。チィを待たせてしまった、早く行かないとな。」



俺は店の鍵を閉めてから裏口に出て、自転車置場に行った。

だけど、チィがいない。



「チィ?」



裏手で待っておくように言ったんだが・・・。



「チィ、帰ったのか?」



そんな事を考えてみたが、チィは黙って帰るような奴じゃない。



「何処に行ったんだ?」



気になったので携帯を鳴らした。

だが、出ない。



背中を冷や汗が伝った。



俺はチィを見つける為に店の周辺を見て回った。

そうしたら表通りにチィのカバンが落ちていた。

俺は拾い上げ辺りを見渡した。



「チィ!何処に居るんだ?」



焦りながらも、今日店で起きたことが思い返された。



チィの尻に触った野郎。

常連客ではないが、最近良く目にしていた。

チィを見る目が尋常ではなかったからだ。



今日もずっとチィをねめつけるように見ていて、胸騒ぎがしたからチィを送って行こうとしていたんだが・・・。



「クソォ!もっと気を付けておくべきだった。」



野郎、チィに何かしたらぶっ殺してやる!



俺はチィを捜しに暗闇の中を走った。





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あきゅろす。
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