居酒屋で恋して
居酒屋で恋して 15
それに颯人さんが僕のアレを握って扱いてくれた。
カァァァ〜!
思い出すと恥ずかしくなってきて布団の中に潜り込んだ。
すると何だかとてもいい匂いがしてきた。
「なんだろう、この匂い?いい香りだ〜」
「そうか?柔軟剤かな?」
颯人さんの返事がしたのであわてて布団から這い出た。
「チィ、レモネード作ったから飲んでみろよ。あったまるぜ」
「は、はい。ありがとうございます」
何故か丁寧語になって言うと、颯人さんは笑い出した。
「なんで畏まってるんだ?」
「え、あの〜、何となく?かな」
なおも笑い続ける颯人さん。
その笑顔に胸がキュンキュンする。
颯人さんは本当に格好良いなぁ・・・///。
そうやって上目遣いで見ていたら、颯人さんが僕の頬っぺたに手を置いて撫でてくれた。
大きくてあったかい手だな。
その手の気持ち良さに目を瞑って頭を預けていたら。
「チィ、あんまり可愛い顔して俺を煽るなよ。我慢できなくなるだろ」
目をパチッと開けて颯人さんを見た。
だって・・・今・・・確かに、我慢できなくなるだろって!
それって、颯人さんが僕に欲情してくれてるってことだよね?
「颯人さんが僕に・・・僕に・・・」
思わず声に出してしまった。
これは夢なんだろうか?
颯人さんが僕みたいな色気も何もない、男に欲情してくれるなんて信じられない。
嬉しさが沸き上がってきて天にも昇るような気持ちになってきたけど、急に恥ずかしくなってきた僕は布団の端を掴み、指先でくっ付けたり放したりしていた。
も、も、もしかして。
もしかしたら!
今日が颯人さんとの?
そんな胸がドキドキするようなことを考えている僕を余所に、颯人さんは部屋の外に一旦出ていった後で、折り畳んだ僕の衣服を持って来て布団の上に置いた。
「チィ、それ飲んだら服に着替えろ。家まで送ってくから」
え?
なんで?
呆けて颯人さんを見る。
「〜〜〜、チィ、頼むからそんな顔して俺を見るんじゃない」
そ、そんな顔って、どんな顔?
訳が分かんないよ。
そんなことより何なの?
どうして颯人さんは僕を帰らそうとするの?
僕は・・・僕は颯人さんに抱かれるって思って、さっきから心臓が煩いぐらい騒いでるっていうのに!
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