鳳凰の宮学園 朝靄 4 自分の部屋の前で佇む。 なぜなら部屋の鍵を持っていないことに気付いたから。 どうしよう? 久我山起きてるかなぁ? まだ6時半だし。 控え目にドアをノックしてみる。 すると部屋の中からドタドタと足音が聞こえ、ドアが壊れるんじゃないかとおもうような勢いで開いた。 「柊木!?」 久我山が矢のように飛び出てきて、僕を抱き締めた。 「く、久我山?どうしたの?」 か、かなり強く抱き締め?羽交い締めにされて、息ができない。 「どうしたの?じゃねぇだろ!お前、どこに居たんだ?無事だったのか?何もされなかっただろうな?」 久我山が矢継ぎ早に聞いてくるもんだから、僕は答えに窮した。 そんな僕達の様子を廊下を歩いている人達がチラチラと見ていく。 それに気付いた久我山が僕を部屋の中に引き入れて、ソファーに座らせた。 「で、どうなんだ?大丈夫なのか?痛いところとかないのか?」 僕は久我山の慌てようが可笑しくなってクスリと笑ってしまった。 「何だぁ?人が心配してるのに笑いやがって。」 僕はハッとした。 久我山、僕のこと心配してくれてたんだ。 「ごめん、久我山。昨日連絡しないで外泊しちゃって。」 「そんなことより、怪我ないか?殴られたとこはないのか?昨日襲われたんだろ!」 僕はビックリした。 「久我山、なんで知ってるの?」 久我山は椅子に掛けている上着を指差した。 「あっ!僕の服!どうしてここに?」 僕は立ち上がって服を手に取った。 「昨日、お前を襲った奴等・・・俺の親衛隊が雇ったんだ。」 「ええー?」 「俺と同室なのが気に入らないとか言ってさ。でも俺はそんなこと思ってないからな!柊木にはこの部屋に居てほしい!」 僕の頭の中は混乱してぐるぐるしていた。 久我山が言った言葉を考えてみる。 「なんだぁ。そうなのか。」 僕は理由がわかってホッとした。 「柊木?」 久我山は怪訝な顔をして僕を見た。 「理由があるならいいんだ。あっ!あんなことはもう嫌だけどね。」 僕が笑って言うと、久我山は僕を壁に押し付けた。 「痛っ!」 「何が!?理由があるならヤられても構わないだと?バカじゃねぇのか!」 [*前へ][次へ#] [戻る] |