鳳凰の宮学園
寮 5
僕はパニクっていたが、久我山は続けて信じられないような事を言ってきた。
「お前も俺様とヤってみたくないか?天国を見せてやるぜ。」
僕は目の前の人物を疑った。
「恋人がいるだろ。さっきの可愛い子。」
「あぁ?あー、あれもセフレだ。」
そう言いながら久我山は僕の耳元に息を吹き掛けて来た。ゾワァーっと鳥肌が立って来て、久我山とさっきの可愛い男の子とのベッドシーンが頭の中に浮かんできた。また吐き気が襲ってきた。
「うっ。」
「うっ?」
「ううっ。ト、トイレどこ?」
「あそこ」
僕はトイレに走って行き、吐き出した。気持ち悪いぃ。
久我山はそれを見て呆気にとられていた。
「大丈夫か?」
僕は久我山を見てまた吐き出した。
だめだ。久我山を見る度リアルに思い起こされ、吐き気を催してくる。
それが解った久我山はバツが悪そうにした。
「悪りぃな。免疫ない奴が見たら野郎同士のsexなんて気持ち悪いだけだよな。」
僕は横目で久我山を見た。
「ごめん。しばらく部屋から出てるわ、俺。」
僕は久我山が部屋から出ていったのでホッとした。
うーん。困ったな。トラウマになったらどうしよう。
だけど・・・男同士でも、あんなこと出来ちゃうんだ。っ、ヤバ、また気持ち悪くなってきた。
なんとか持ち直したのでリビングに行きソファーに座りながら部屋を見回した。
広いなぁ。キッチンまで付いてるのか。使い勝手が良さそう。
玄関に入ってすぐ左にキッチンがあって、リビングと続いている。右に僕の部屋で、リビングの向こう側が久我山の部屋。トイレとバスタブはリビングの奥、玄関から真正面だ。
僕は自分の部屋に入ることにした。扉を開けると、そこは木の温もりを感じさせるとても安心のできる空間だった。
「あっ、荷物が届いてる。」
足元にある荷物をほどいてから、順番に片付けていった。
「フゥ。なんとか収まった。」
僕は窓を見た。雪がチラホラと降っている。開けて見ると冷気が入ってきた。
「わっ。寒い。」
あわてて窓を閉めた。これから冷え込むだろうな。
疲れた。僕はベッドに横になりそのまま眠ってしまった。
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