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鳳凰の宮学園
図書室 4


「どうかしたんですか?」



神村先輩の沈んだ様子に僕は気になって声をかけてみた。



「あっ、あぁ。何でもないよ。ただ柊木君が借りたがっている本は貸出が2週間だから、もう少しかかると思ってね。」



「そうなんですかぁ。仕方無いですもんね、また2週間後に来ます。」



僕が意気消沈してるのが分かったのか、神村先輩は気遣ってくれたみたいで。



「返却されたら僕が柊木君に連絡してあげるよ、だから安心して。」



と約束してくれた。

う〜〜。

神村先輩優しすぎるよ〜〜!



「柊木君、僕は返却された本を片付けてくるけど、君はゆっくりして行っね。」



そうだ!

神村先輩が本を持って歩いている姿を目で追っていたら、僕は急に思い付いた。



「神村先輩!僕、お手伝いします。」



「・・・え?」



「お礼がしたいんです!手伝わせて下さい!」



僕が言った言葉を理解出来なかったのか、キョトンとした神村先輩はなんか可愛い。

背が高くて細身なんだけど、格好良い素敵な先輩なのに。



「神村先輩、本を貸して下さい。僕が持ちますから。」



「ありがとう・・・///。」



頬が赤い・・・照れてるんだ。

エヘヘ。



僕は神村先輩と一緒に、本を棚に順序よく片付けて行った。

これが結構大変で。

床から天井まで5メートルはあるから備え付けられてる木の梯子を登って片付けなくちゃいけないんだ。

そして最後の本を1番上の棚に直し終えた。



「ふぅ、終わったぁ〜!」



「フフフ。柊木君、ご苦労様。疲れたろ?紅茶淹れるよ。」



「あっ、いいです!僕もう帰りますから。先輩の邪魔したくないし。」



喋りながら梯子から降りた瞬間、上の方からゴトって音が鳴って、同時に神村先輩が大きな声で叫んだ。



「柊木君、危ない!」



「え?」



僕は上を向いた。

そしたら・・・上から本が何冊か落ちてきて、それはスローモーションのように見えた。

足が・・・動かない!

当たる!!



僕は衝撃が来ると思い、目をギュッとつむり身を強張らせていたが、本が僕に当たる事は無かった。



何故なら・・・神村先輩が僕の上に覆い被さって守ってくれたから。



「・・・っ!」






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あきゅろす。
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