鳳凰の宮学園
rento 動揺
朝方に寝るのはいつものことで。
今日はどれぐらい寝ていたんだろう?
ドンドンドン!
『んーー。良い気持ちだなぁ。』
ドンドンドン!
『まだ寝れるし。』
ガンガンガン!
「・・・」
ドカッドカッドカッ!
「〜〜〜!誰だぁ?俺様のささやかな安眠を妨害する奴は〜」
俺はガバッと布団から勢い良く起きてから、ドアを思い切り開け放った。
「何処のドイツだ!?俺様の部屋だと分かって叩いてやがるんだろうなぁ?」
俺が怒鳴り声を出して言い放つと、外にいた恭一はシレェ〜っとした顔で。
「うっす!良く寝るなぁ蓮人?まぁ寝る子は育つっていうけどな。それにしても、もう午後の授業始まってるぞ。」
恭一はそう言いながら俺の断りも無しに部屋に上がってきた。
まっ、何時ものことだけどな。
「何だよ、急ぎの話しでもあるのか?お前が乱暴にドアを叩くなんて珍しいじゃん。」
恭一はソファーに腰を掛けると、タバコを取り出し一服し始めた。
何か・・・何時もと違うな?
恭一の奴イライラしてるのか?
俺も向かいの木製の椅子に座ると、やっと恭一は口を開いた。
「蓮人・・・お前昨日、同室の奴を助けようとしてたよな?」
「あ゛?まぁな。」
「それって同室者だからなのか?それとも・・・気があるからなのか?」
ドキッ!
な、な、なんでそんなこと聞いて来るんだよ?
いつもは俺が誰とニャンニャンしようが知らんぷりしてたのに。
「なに言ってんだ?気があるわけないだろ。同室者だから・・・面倒事はゴメンだったんだよ。決まってんだろ?」
恭一は鋭い目で一瞬俺を見て、それからフッと笑い、いつもの恭一に戻った。
「それなら良いんだ。いや、なに、そのお前の同室者が寮長と付き合ってるって聞いたから心配になって・・・な?」
ピキッ。
な、な、なんだと〜?
今、なんて言った?
寮長と付き合ってるだと?
何でだ?
「それ、ガセじゃねぇだろうな。」
「おう。・・・?」
昨日の・・・。
アイツを助けたのって。
「でも安心したぜ〜。もし蓮人が好きだったらどうしようかと思ってたんだぜ。相手があの徳平さんだからなぁ。蓮人でも敵うかどうかって・・・。」
ピキッピキッ!
こめかみの血管が切れそうだ。
俺が敵わねぇ?冗談きついぜ。
俺は誰にも負けねぇ。
誰であろうとな。
それに柊木だって諦めねぇ。
ぜってぇに俺を好きにさせて見せる!
待ってろよ!
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