鳳凰の宮学園
tatsuya 驚愕 1
今朝、領を高等部の寮の前まで送ってから、俺は中等部の自分の部屋に帰って行った。
戻るなり、生徒会専用のリビングで朝食を食べていた晄に捕まった。
「龍弥、朝帰りとはなぁ!好い人とうまくいってるのかぁ?ヒヒヒ♪」
ニヤケた笑いをする晄を無視しながら、学生服に着替え中等部に行く用意を済ませてから、晄に声をかけた。
「先に行くぞ!」
「わわっ?ちょっと待てよ!んなに急がなくても遅刻なんてしやしないぜ?んっ、龍弥く〜ん待ってってばぁ。」
朝からテンションの高い晄を置き去りにしてから、学園に向かった。
「「「おはようございま〜す♪」」」
道を通る度に挨拶をしてくれる生徒達に、俺も愛想の良い笑顔を浮かべて答える。
「おはよう!」
「「「・・・///」」」
挨拶を返された生徒達は、一様に夢見心地の表情をしてその場で惚けていた。
「あっちゃ〜!罪作りだねぇ龍弥く〜ん♪」
いつの間に追い付いたのか、晄が俺の後ろにいた。
「あんまり笑顔なんか見せると、勘違いする輩が増えるぞぉ♪」
「ただの挨拶だろ。余計な気を回すな。」
俺が呆れながら言うと。
「ヘーイ!」
晄は舌を出しながら、悪びれた様子もなく返事してから、小さな声で呟いた。
「しっかし、無自覚プレイボーイなんだから。恋人が出来たら大変だろうなぁ〜♪」
「何か言ったか?」
「なんでもな〜い♪さっ行こうぜ!」
昼休みになると、生徒会書記の情報通・成田 明里が全力疾走しながら声を弾ませて俺達がいる生徒会室にやって来た。
「ビッグニュースだよ!ビッグニュース!みんな聞いてよ!」
「息が上がってるぞ明里。落ち着いてから話せよ。」
「落ち着いてなんかいられないよ、龍弥!だって遂に高等部の徳平さんに、徳平さんに恋人が出来たんだぜ!」
生徒会の役員一同が一瞬動きを止めて明里を見つめた。
明里は得意気に胸を張り、ゴホンっと咳払いをしてから話を続けた。
「1年の灯里兄ちゃんから聴いた話によると、朝の風紀委員の検査の時に恋人と2人で登校して、風紀委員や玄武会の結城さんの前で宣言したんだって!」
俺は驚いたが、晄やみんなも驚きを隠せない様子だった。
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