鳳凰の宮学園
噂 4
佐和さんの微笑みって天使みたい。
可愛くて綺麗で気品がある。
佐和さんを見ていたら本当に男だってことを忘れてしまいそう。
「佐和、あんまり下級生をからかうなよ。罪作りな奴だなぁ。」
「からかってない。楽しんでるだけだ。」
「なお、悪い!」
寮長も佐和さんも楽しそう。
2人を見ていたら、まるで恋人みたい。
はっ!
恐ろしいことを考えてしまった。
いくら似合ってても男同士だもの、佐和さんと寮長に悪いや。
そういえば!あることが頭に引っ掛かっていたので聞いてみた。
「田嶋君、佐和さんを、どうして佐和姫って呼ぶの?」
僕の質問に一同、食堂全体が静まりかえったような気がした。
そんな中で寮長が豪快に笑って、僕の頭を撫でた。
「そりゃそうだ。転校してきたばかりだからな。」
「そやったな。えーと、うちの学園は毎年GW前に新入生の歓迎会があるんやけど、そこで王子様とお姫様ランキングってーのをやるんだ。全校生徒が投票して、学年別に王子様とお姫様が決定する、いわば男子校きってのお茶目な遊びや。」
「そうそう!そこで選ばれた上位3位までは1年間あらゆる面で優遇される。まぁ、選ばれたら学園の看板として仕事があるけどな。」
へぇー!!
男子校って、そんなのがあるんだ。
面白そう!
「ということは、佐和さんて。」
「そ。3年の1位のお姫様!」
すごーい!
佐和さんは綺麗だもの。
選ばれて当然だよ!
僕は佐和さんに尊敬の眼差しを向けた。
すると寮長が僕に対して、食堂全体が悲鳴をあげる行為をした。
「柊木、佐和ばっかり見てると、ちょっとばかり妬けるな。」
そう言ってから僕の額キスしてきた。
途端に。
「「ギャーー!?」」
そして、それは今朝と同様に学園中の生徒の知る所になった。
寮長は素知らぬ風というか、何だかいたずら好きの子供みたいな顔をしている。
な、な、なんて人なんだろう!
人の気も知らないで!
また周囲の冷たい視線がとんでくるよぉ〜!
「柊木君、徳平とお幸せにね。」
ええー?
どうしてそうなるの?
違うのにぃ。
僕が訂正を入れようと口を開きかけたら。
「ありがとな!」
寮長は佐和さんにお礼を告げた。
僕は寮長を睨み付けたけど効果はなくて、反対に。
「これから俺のことは、総一郎って呼べよ。領♪」
ってな具合に返された。
僕は寮長に着いていけなくて、只々呆然としていた。
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