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鳳凰の宮学園
視線 3


他愛のない話をしながら歩いていたら、寮長が龍弥君の事を聴いてきた。



「龍弥とは知り合いなのか?」



「え?はい、学園に来た初日に知り合ったんです。僕が学園の前で迷ってたら寮まで案内してくれて。」



その日のことを思い出すと、自然に頬が緩む。



「そうだったのか。まぁ龍弥は親切だからなぁ。それで、昨日龍弥が助けてから、そのまま部屋に泊まったのか?」



「はい。だから龍弥君に迷惑かけちゃったので、申し訳なく思ってて。」



「そうか。」



寮長は僕をじぃっと見てきた。

しかも凄く真剣に。



「柊木、龍弥は・・・一見親切で優しい奴だが、本心を見せないんだ。年下で中学生だからあまり会う機会はないと思うが容易く近付くなよ。」



僕は絶句した。

龍弥君のこと、寮長がそんな風に言うことが信じられなくて。

だから寮長に反発した。



「ど、どうしてですか?龍弥君、とっても、良い子です!本心を見せないことなんて誰にだってあるでしょ。僕は龍弥君と仲良くしたいです!」



思いっきり早口で喋ったせいか息が切れていたけど、僕の剣幕に驚いたのか寮長は唖然としている。



「柊木、お前龍弥の事が好きなのか?」



「好きです!」



はっきりと伝えたら、寮長は苦笑した。



「柊木はお子ちゃまだなぁ。」



お、お子ちゃまぁ?

僕はムクれて黙っていた。



「悪い意味じゃない。膨れるな、顔が変だぞ?柊木、龍弥が良い奴だってことは俺にも分かってる。あいつの性格好きだからな。だけどな、龍弥と本当に仲良くなろうと思っているなら、どんなことがあっても龍弥を信じてやれ!いいな?中途半端に付き合おうと思うなよ。」



寮長の気迫に僕は固まってしまった。

龍弥君の事を好きだから、仲良くなりたいって思ってた。

だから普通に友達になれたら良いなって。



「寮長、僕、龍弥君の事どんなことがあっても信じます!」



そう言うと寮長は男前の顔でニッコリ笑った。



「頼むぞ、柊木!」



「はい!」



「お前なら、もしかして・・・。」



「え?」



「何でもない。さっ行くぞ!」



再び歩き始めたら、何処からか誰かに見られているような、突き刺さるような視線が感じられた。



キョロキョロ見回すと、誰もいない。



気のせいかな?



「柊木、余所見するな!躓くぞ!」



「はい!」



気を取り直してから、僕は学園に向かって、歩き出した。







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あきゅろす。
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