鳳凰の宮学園
rento
何処だ!
何処にいやがる?
あ〜、全くムカつくぜ!
親衛隊がこんなに煩わしい存在だなんて初めて思ったぜ。
俺の同室者が可愛いくねぇから、襲うだとぉ〜?
何勝手に決め付けてんだ。
あいつは!
あいつは・・・
スッゲェ可愛い!
じゃねぇか。
傷なんてつけたら殺してやる!
全力で走っていたら、親衛隊の奴等が歩いて来るのが見えた。
俺はそいつらを捕まえて、柊木を襲う計画の一部始終を聞き出した。
「か、会長が久我山様には誰にも煩わされずに、健やかに過ごされることが重要だから、同室者を追い出そうって。」
なんて勝手な理由なんだ。
そりゃあ、俺だって嫌な奴だったら追い出すかもしれねぇが、他人には頼まねぇ。
自分でケリつける。
「で、何処でヤるんだ?」
「寮からの一本道で待ち伏せして、林の中に連れ込むって言ってました。」
それを聞いてから俺はダッシュでその場所に向かった。
外は既に暗くて、雪もシンシンと体が凍てつくように降っている。
「くそ〜!何処に居るんだ?」
辺りを見回して見たが人のいる気配がしない。
何の音もしない静寂が不気味だ。
雪の中を歩き続けていると、急に背筋が寒くなった。
目の前にダウンジャケットとトレーナーが乱雑に置いてあったのだ。
「これって・・・あいつのだよな?」
俺は直ぐ様服を拾い、駆け出した。
少し行くと小屋が見えてきたので、俺は腹を据えてから中に入った。
「領!・・・?」
俺はその場の状況に目を見張った。
恐らく、柊木を襲った奴等だろうが、全員倒されてる。
柊木がヤった訳じゃないだろう?
俺は倒れてる奴に近付き、足で腹を蹴り、起こしにかかった。
「うっ・・・」
「おい、お前、柊木はどうした?」
「知らねぇ・・・」
「知らねぇだと?てめぇ等が此処に連れ込んだんだろ?」
「そうだけど、知らねぇ奴が来て、俺達を殴ってから後のことは知らねぇんだよ。」
クソ!
何処のどいつだ、柊木を連れてったのは?
倒されてる3人共、この学園の中じゃ結構喧嘩は強い方なのに、1人で勝つなんて。
俺は柊木が寮に戻るかもしれないと思い、急いで部屋に帰った。
だが、一晩中柊木は帰って来なかった。
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