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鳳凰の宮学園
学園探検 1


僕は河上君に腕をひっぱられて、廊下を歩いていた。



この広い宮殿のような学園を案内してくれると河上君が言ってくれたからだ。



田嶋君と一之瀬君は、河上君の説明をニヤニヤしながら聞いて、大人しく後ろから付いてきてる。



「んで、ここが実験室、あっちが視聴覚教室、向こうが美術室だ。」



・・・河上君の説明はとても大雑把だ。



ちゃんと指さして説明してくれてるんだけど、早すぎてついていけない。



性格が、さばさばしてるんだろうなぁ。



フフフッ。



「ねぇ河上君、図書室って何処なの?」



河上君は一瞬立ち止まった。



くるりと振り返って、あっけらかんと言った。



「知らねぇ!行った事も、行こうと思った事もない。本なんかぜんぜーん読まねぇし。」



そう言うとケタケタ笑った。



僕は無邪気に笑う河上君に呆気にとられた。



あわわっ。



河上君って成績優秀なのに本を読まないんだぁ!



どうやって勉強するんだろう。

僕が不思議そうな顔をしていたら。



「領、翔平は勉強なんかしないんだぜ。大体試験前に俺や良介に聞いて、ヤマはるんだ。それがいつも大当たりなんだな、これが。俺も翔平の頭ん中覗いて見たいぜ、どうやったら百発百中になんて当てられるんだ?」



河上君はニタニタしながら腕を頭で組み、答えた。



「天才だからだろ♪」



スゴーイ!
河上君を尊敬しちゃう。
僕なんて、地道に毎日しないと全然勉強についていけないもの。



僕は河上君を尊敬の眼差しで見た。



「や、ハハハハハ。そんなに見つめんなよ。照れるじゃねぇかよ。フヒヒヒヒ。」



「あーあ、ニヤケちゃってるよ、翔平の奴。領、こんな奴ほっといて図書室に行こう。3階にあるんだ。」



一之瀬君は優しく僕の肩に腕を廻しながら言った。



見上げるとすぐ近くに笑顔がある。



「あー!ずるいぞ良介。領を離しやがれ!俺っちと組むんだよ。」



河上君は、僕と一之瀬君を引き剥がそうとして、間に入った。



「わっ、止めろ、チビ翔平!」



「ムカっ!離れろって言ってんだよ!木偶の棒。」



「てめぇら、止めろって。わっ、イテェ。」



ふるふるふる。



楽しい!



僕は3人を見て心から友達って良いなぁと思った。



そして僕も友達になれるように頑張ろうって素直に思った。






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あきゅろす。
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