鳳凰の宮学園 1―S組 1 1―S組の前に着くと山内先生が僕を見て、微笑した。 「入るよ。」 ガラガラ。 扉を開けると凄く賑やかな生徒達が居た。 山内先生は生徒達に席に着くよう声を掛けた。 「今日から新学期だが、みんな冬休みは有意義に過ごせたか?」 「「はぁーい!」」 元気な声が返ってくる。 楽しそうなクラスだなぁ! 「それじゃ、転校生を紹介する。さぁ挨拶して。」 「はい。柊木 領です。転校生なので分からない事が多いと思いますが、よろしくお願いします。」 僕が挨拶すると教室内は一瞬、静かになった。 だけど次の瞬間僕は質問攻めにあった。 「どこから来たの?」 「趣味は?」 「スリーサイズ教えて!」 「彼氏いる?」 「僕と付き合って!」 はあぁー? 最初の方の質問は分かるけど、後ろの方の質問は一体??? 「オーイ、お前ら初めから質問キツいのあるぞー。柊木君はまだこの学園に染まって無いんだから、徐々にしろ。」 「「はぁーい!」」 せ、先生、染まるって??? 僕が固まっていると、先生が優しい声で僕の席を教えてくれた。 「桜木、転校生の面倒頼むぞ。」 「はい、先生。柊木君よろしくね。」 桜木君は立ち上がってから僕に手を差し出した。 僕は桜木君を見て驚いてしまった。 絶世の美少年!! 正しく・・・僕の目の前に存在したのだ。 「きれい・・・」 僕はあまりの美しさに溜め息をついた。 そうしたらクラス中が大爆笑した。 な、なんで笑うんだろう? 「桜木、きれいだってよ!嬉しいだろ♪」 「付き合っちゃえば!」 「ネコ×ネコでか?」 バアッン!!! 「ヒッ。」 僕は思わず音の方向を見た。 桜木君が机を真っ二つに割った・・・音の方向を。 僕はマジマジと見た。 こ、この美少年の何処に机を割る力があるんだろう? 「テメェら、いい加減にしろよ!」 「ごめんよぉ優里!」 「許せ桜木!」 「いつもの冗談だよ、優里ちゃーん。」 桜木君は息を吐きながら、回りを睨んだ。 「わぁってるよ!」 桜木君は僕が硬直しているのに気付くと、優しく話し掛けてくれた。 「柊木君、こいつらいつも冗談言う連中だから、あんまり気にしないでね。」 「は、は、はい。」 僕は背筋を伸ばして答えた。 [*前へ][次へ#] [戻る] |