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鳳凰の宮学園
金曜日の朝 1


朝の澄みきった空気の冷たさが肌に直接伝わってくる。



どんなに夜遅くなって眠っても、僕の体内時計は一定に保たれてるようで、毎朝ほぼ決まった時間に目が覚める。



「んーー、朝! 起きなきゃ。待ち合わせに間に合わないや」



この学園に来てから、毎日の朝食を中等部の生徒会長・龍弥君と食べている。



龍弥君は年下なんだけど、高校生の僕をとても気づかってくれてるんだ。

年上の僕としてはちょっと情けない話だけど、龍弥君に毎朝会えるのはとっても嬉しい。


龍弥君に早く会いたい思いで、身仕度をさっさと整えて足早に部屋を出た。

するとリビングに・・・なんと久我山がいた。



「久我山?おはよう。今日は早起きなんだね」



「アー?だな。自分でも驚いた。柊木はいつもこんなに早いのか?」



「うん。毎朝6時には目が覚めちゃうんだ」



「フーン。年寄りみたいだな」



久我山はソファーにドサッと座って、首をソファーに持たせかけた。

まだ眠いのかもしれない。



「じゃあ久我山、先に学校行くね」



「あー、柊木」



「なに?」



「今日は早く戻ってくるのか?」



「え?」



久我山がどうしてそんなことを聞いてくるのか分からなかったので、キョトンと目を見開いたまま見つめてしまった。

そうしたら久我山が目を反らしながら、わけの分からない事をボソッと呟いた。



「おま・・・朝から反則だっつうの」



な、な、なにがですか???

なにか気に障ったことでもしたかな?



「なんでもねぇよ。それより学校終わったらすぐに帰ってくんのかって聞いてんだけど。予定あんのかよ?」



「あぁ! えっと何にもないよ。今日はすぐに帰るつもりだけど」



「じゃあ決まりだな。今日は俺と晩飯な」



「エエェー?」



まさか久我山から夕食を誘われるなんて思ってもみなかったので、驚いた声を出したらギロっと睨まれた。



「俺とメシ食うのが嫌だっつうのか?」



「そ、そういうわけじゃないけど」



僕は頭をプルプルと何度も振りながらも、そういえば一昨日も久我山と一緒に食べたなって思い出した。



「なるべく俺も早く帰ってくるから、ゼッテーにすっぽかすんじゃあねぇぞ、分かったな?」



久我山の有無を言わさぬ迫力に負けた僕は、頷くことしかできなかった。

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