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鳳凰の宮学園
眠れない


毛布にくるまってベッドに横になる。



今日も寒いから風邪を引かないように気を付けなきゃ。



お休みなさい。



目を閉じて眠りにつく。





・・・・・・。



けど、眠れない。



なんで眠れないのか?

原因は分かってる。



一昨日の事を思い出したからだ。



せっかく忘れかけてたのに。



あーー!

ホントにヤダ。

早く忘れたい。



「ハァ・・・」



考えまいとすればするほど、思い出してしまう。



あの日の事を。



ブルッ!



「あ〜もう、いい加減にやめよう!」



それに考えてみれば、あれは僕が気に入らないからって殴られただけなんだ。

その後の事は、龍弥君が助けてくれたんだし、ぐずぐず考えるのは男らしくないぞ、領!



さぁ早く寝よう!





・・・・・・。

カチッ、カチッ、カチッ。



「ん〜〜。」



時計の針の音がやたらと大きく聞こえて、目が覚めてきた。



時計を見るとまだ1時半だった。



「小説でも読もうかな?」



電気を点けて本棚を覗いてみる。



「・・・そうだった。小説は全部家に置いてきたんだった。図書館でも借りれなかったし・・・何か飲もうかな?」



ドアをそっと開け、キッチンに忍び足で向かう。



電気ポットでお湯を沸かして、コップにそのまま注いだ。



夜中だから、お茶とか飲んだら余計に眠れなくなりそうだったから、お湯をそのまま飲むことにした。



コップを持つ手が熱くなってくる。



「あったかい」



口に含むと身体が温められて行き、気持ちもだいぶ落ち着いてきた。



これなら眠れそうだ。



コップを持ったまま部屋に戻ろうとする途中で、ふと久我山の部屋に顔を向けた。



もう寝てるのかな?



今日の久我山は迫力満点で怖かったけど、本当は優しい所があるんだなって嬉しくなっちゃった。



不良で僕のこと不細工だってけなしてるけど、同室だからかな? 意外と気を遣ってくれてるし、久我山って良い奴なのかも。



心配してくれてありがとう。



「お休み、久我山」



ガチャっとドアを閉めてベッドに戻ると、今度は直ぐに瞼がトロンと落ちてきて、僕は深い眠りに墜ちていった。

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あきゅろす。
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