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鳳凰の宮学園
桜木優里 5


・・・く、久我山?

久我山って僕のルームメートの、あの久我山蓮人だよね?



「今は結構な不良なんだけど、入学当時はルックスが良いし、クールなところも格好良いって評判だったんだ」



へ、へぇー!

パッと見は確かに格好良いけど・・・。

でも、まさか王子様に選ばれるなんて!

全然、王子様っぽくないしガラじゃないのに。



・・・それにしても久我山、選ばれた時どんな顔してたんだろう?

なんか想像つくけど。

ウププ♪



僕が久我山の王子様姿を頭の中で巡らしていると、部屋の扉をノックする音が聞こえてきた。



「柊木君、食事が来たよ」



桜木君は僕にウィンクしてみせてから扉に向かい、食事を運んで来た人と一緒に戻ってきた。

そして食事を運んで来た人は、テーブルワゴンから取り出したフォークやナイフをセッティングし、クロシュの乗った料理の盛付けられたお皿を決められた配置に置いていった。

全ての作業を素早く終えると、その人は桜木君に料理の確認を1つずつしていき、合っていると一礼してから部屋を出ていった。



「柊木君、あったかいうちに食べよう」



「うん!」



早速テーブルについて、ワクワクしながら銀のクロシュを取って中身を見た。



「わぁー!美味しそう」



料理はブリの照り焼きに筑前煮、茶碗蒸しとホウレン草のお浸しで、和風定食だった。



「いただきます」



まず最初に筑前煮が気になったので、お箸を運び口の中に入れて味わった。



「ん〜美味しい!この味付け僕好きだよ」



「良かった。今日は和風定食がオススメだって教えてくれたから選んでみたんだけど、喜んでくれて嬉しいよ」



「そうだったんだ。ありがとう桜木君!」



「う、ううん・・・」



なんだか桜木君の様子が変だ。

急に目線が下になり頬が赤くなってきた。



「どうしたの?気分でも悪くなったの?」



「ううん、違う。そうじゃなくて、その・・・柊木君って、誰にでもそうなの?」



「何のこと?」



理由がわからなくて、小首を傾げながら桜木君に聞いてみた。



「今の仕草とか、素直な所とか」



「え?仕草?素直?」


ますます解らなくなって桜木君を凝視した。



「あ、その・・・変に思わないでね。ただ柊木君の仕草って可愛いなって思えて。同性なのにそう感じたんだ」

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