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鳳凰の宮学園
桜木優里 4


あったかい柚子茶を飲んで一息ついてから、僕達は勉強会を始め出した。



「柊木君、どこが解りにくかったの?」



「この問題なんだけど・・・」



「あぁ、それはここの公式を当てはめると、すんなり解けるんだよ。ここをこうしてから・・・どう?」



桜木君が解説してくれると、問題がみるみるうちに解けていく。



「わぁ、凄い桜木君。この問題はこうすれば良かったんだね。ありがとう!」



「どういたしまして。他にはどこかある?」



僕は恥ずかしかったけど、遠慮なく次々と苦手なところを桜木君に聞いていった。



そうやって集中してみっちりと勉強に励んでいたので、時計を見て2時間ほど経っていたのにビックリした。

桜木君も驚いたみたいで、時計を見ながらお腹をさすって。



「もう6時なんだね。お腹も空いてきたし、ここら辺で夕食にしようか?」



「うん、賛成!もう腹ペコだよ〜」



「クス。じゃあ食事を運んで貰うよ」



え?
今なんと?

僕が理解出来ないうちに、桜木君は部屋に備え付けられている電話を使って、食事の用意をお願いしますと言っていた。



電話をかけているあいだ中、じっと桜木君を見ていたら、受話器を置いて僕の方へ振り返った桜木君と目が合った。



「柊木君、どうしたの?目が開きっぱなしだよ」



「あっ、ごめん。じっと見ちゃって。その、食事を運んで貰うなんてこと、できたかなって考えてて・・・」



食事の予約ができるっていうのは教えてもらってたけど。



「アァ!そうだったね。柊木君は転校してきたばっかりだから、この学園の特別待遇者のシステムを知らなかったよね」



「特別待遇者?」



「そう。毎年GW後に王子と姫を決める投票があるんだけど、それに選ばれると色々特典がつくんだよ。食事を部屋に運んで貰えるのもそのひとつなんだ」



「へぇースゴいなぁ。・・・あれ?ということは、桜木君ってもしかして!」



「不本意だけど、ね。まったく男子校ってどうしてこうもくだらない行事が多いんだろう!・・・姫なんて、最悪だ」



ブツブツと一人言を呟く桜木君は、いつものクールな美少年とは違って、面白い。



「フフ。僕から見ると、桜木君は姫っていうより王子様みたいなのにね。それじゃあ、王子は誰なの?」



「Xクラスの久我山っていう奴だよ」

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あきゅろす。
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