鳳凰の宮学園 朝 1 真冬の冷気が体に触れて、僕は目が覚めた。 「ん?んー!僕、あのまま寝ちゃったんだ。」 時計を見ると、まだ朝の5時だった。 グー。 はは。昨日は晩御飯を食べなかったから、お腹が空いてる。 起きよう。 僕は布団を退けてからベッドを降りた。 んんっ。寒い。体がブルッと震えた。 窓の方を見ると雪はまだ降っていた。 顔を洗いにリビングに出た。ふと向かいの部屋を見てみる。 久我山は帰ってきてるのかな。今日会ったら普通に挨拶しよう。大丈夫、デジャブなんかに負けるな。うっ、ダメだ。久我山 = アレ、つまり男同士のHになっちゃう。はぁ。童貞の僕には強烈すぎたみたいだ。 バスタブにお湯を張り浴槽の中に入った。 「うーん、気持ちいい。体が暖まるぅ。」 寒さで強張った体の筋肉を、ゆっくりとほぐすようにマッサージした。 はぁ。気持ちいい。 体が暖まったので浴槽から出た。髪を洗ったからドライヤーで乾かそうとしたけど、まだ朝が早かったから、タオルドライだけにした。久我山を起こしたら怖そうだ。低血圧っぽいし。 部屋に帰って制服に着替えた。まだ5時40分。 食堂は6時からだ。今から下りて、開くのを待ってよう。早く御飯が食べたい。 そぉーっと部屋から出て行き、エレベーターに乗ろうとした。だけど動いてない。なんで? 乗降時間 AM6:00 - PM10:00 エレベーターの横の貼り紙にそう書いてあった。 うー。待ってても仕方無い、階段から降りて行こう。 1階に降りると食堂はまだ開いていなかったので、エントランスのソファーに座って待つ事にした。 照明は最小限だけ灯っている。へへ。ライオン像だ!近くに行くと迫力がある。観察しているとソファーから誰かが立ち上がった。 振り返って見ると、そこには龍弥君がいた。 「龍弥君!どうしてここに??中等部と高等部とは離れてるんじゃ・・・そうじゃなくてこんな朝早く一体どうしたの?」 僕は吃驚して矢継ぎ早に質問した。そんな僕に龍弥君はクスッと笑って、挨拶してくれた。 「おはよう、領。昨日はよく眠れた?」 凄く爽やかな笑顔で言われて、僕は見惚れてしまった。 龍弥君は本当にカッコいい。 [*前へ][次へ#] [戻る] |