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鳳凰の宮学園
tatsuya 心配


冷たい瞳

見下した態度



哀れんでいるのか

馬鹿にしているのか



嘲笑を交えた口調で言葉を紡ぎ出す



いつものことだ



教室の自分の席に座って窓の外の雪景色を見ながら、今朝会った人物のことを考えていた。



母の違う兄



いや、兄だなんて思ったことなど1度もないが。



母を裏切り続けた男と、裏切らせた女の子供だ。



俺には関係ない。



そう、関わる必要などないのだ。



「たっつやくーん!何物思いに耽ってるのかなぁ?真剣な顔なんて全然似合わないぜ。きゃっ、引っ掛かったぁ!」



振り向いた瞬間、晄の指が俺の頬に食い込んだ。

それを楽しそうに笑う晄に俺は睨んでみたが、気にする風でもなく俺の前の席に座った。



「隙ありすぎだぜ、たっちゃん。そんなこっちゃ、野郎にホラれちまうよん」



「・・・」



「冗談だよ、冗談。そんな無表情で圧力かけんなよな。それより高等部、また転校生の話題で持ちきりみたいだぜ。龍弥君、心配なんじゃないっ、お?」



晄が話し終わらないうちに、俺は晄の胸ぐらを掴んで引き寄せた。



「何の話題だ?」



晄はニヤニヤして俺を見ていたが、俺は領のことが気になって話を促した。



「高等部の掲示板に、転校生と徳平さんと神村さんの三角関係の紙が貼ってあったそうだ。っておい、何処に行くんだ?授業始まるぞ」



俺は歩きながら領にメールを送り、高等部に向かっていた。

そうしたら、すぐに領から電話がかかって来て立ち止まった。



「領、大丈夫か?何にもされてないか?」



『龍弥君?どうしたの?』



「どうなんだ?怪我とかしてないだろうな?」



『し、してないよ。いきなりどうしたの、龍弥君?』



ホッとした。
領の声がいつもと変わらなくて。

取り敢えずは深刻な事態に陥っていないようだ。



『龍弥君・・・///。ありがと、心配かけちゃってごめんね。だけど僕は大丈夫だから、友達もいるし、寮長や神村先輩も対処してくれてるから』



「徳平、さんが?」



その名前を聞いただけで胸がざわつきだす。



『うん。今朝クラスにまで来てくれてね、親衛隊の人達に話をつけてくれたんだ。それにファンの人達も押さえてくれるって言ってくれたんだよ。だから、心配しないでね、龍弥君』



「ああ、わかった。だけど、くれぐれも気を付けるんだぞ、領」



『うん。あっ、龍弥君、土曜日のことなんだけど、どこか行きたい所とかある?』



デートの場所?
俺はさっきまでの、胸のざわつきが嘘のように消え、変わりに甘酸っぱい想いがわいてきた。



「そうだな、領と一緒ならどこでもいいよ」



俺がそう答えると、領は高い声を出して考えておくと言った。



本当に楽しみだ。
領と1日一緒にいられるなんて。



領となら、どんな場所だって構わないよ。



俺が俺でいられる場所を領が持っているんだから。

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あきゅろす。
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