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鳳凰の宮学園
suzaku 掲示板 1


1月の寒い冬空の、まだ光が射さない午前5時半に、起床して身支度を整える。



制服に着替え終わると、扉をノックする音が聞こえてきた。



「おはようございます朱雀様。朝食の用意が調いました。」



「分かった。」



部屋から出て行くと、ダイニングテーブルには私1人分の朝食が彩り良く並べられていた。



「おはよう加我莉、今日の新聞は?」



「こちらに用意しております。経済新聞から読まれますか?」



「嗚呼。」



加我莉から新聞を受け取ると、早速社会面から読み出した。



その間に加我莉・・・私の個人秘書がティーカップにコーヒーを注いでいく。



生徒会長をしている私は、毎朝7時前に登校し夜は8時まで学園の仕事に取り掛かっている。

その為、ゆっくり過ごす時間が1日の中で朝食しか持てない私は、朝早く起きて経済や政治あらゆるニュースに目を向けて社会の動向を探っている。



「加我莉、今週末の予定はどうなっている?」



「土曜日に社交界の御子息達の親交パーティーがございます。日曜日には紅子様がチャリティーパーティーを開くそうなので、朱雀様に出席して頂きたいと申しておりました。」



「フフッ、母上は精力的だな。分かった、出席すると伝えてくれ。」



「畏まりました。それでは朱雀様、他にご用が無ければ下がらせて頂きますが。」



「ありがとう加我莉。後はゆっくりしてくれ。」



一礼をしてから、加我莉は部屋から出て行った。



祖父の会社の重役の息子である、坂下 加我莉とは幼い頃からの付き合いだ。

寡黙だが頭も良いし機転がきく。

そして何より鳳凰家の長男としてレールを敷かれた私の人生の中にあって、同じ年の彼の存在は何かと心強い。



「さて、そろそろ学園に行く時間だな。」



席から立ち上がって鞄を持つと、部屋を後にした。



「今日も寒いな。」



いつにも増して、雪がたくさん降っていた。

幻想的だな。

しかし、日本で北欧ばりの景色が見れるとは・・・曾祖父もかなり暇人になったものだ。



学園に着くと、中央ロビーの掲示板の前に2人の男が立っていた。

1人は腰まである長い黒髪の生徒会副会長 玉城 静。

もう1人は寮長の徳平 総一郎だ。







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