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鳳凰の宮学園
掲示板 6


寮長は一呼吸おいた。

そして眼光を鋭く光らせて一言発する。



「この意味分かるか?」



鈍い僕は直ぐには分からなかったけど、ようやくロビーから聞こえてきた言葉と今の寮長達が話してくれたことが1本の線に繋がった。



掲示板に貼られた内容が、僕や寮長そして神村先輩の有りもしない三角関係で、それを見た生徒達は貼り出された内容を信じて、僕が2人を両天秤にかけていると信じている。



・・・信じている?



冷や汗が流れてきた。

た、確か、今、寮長は親衛隊やファンが、僕を放っておかないって言っていなかったっけ?



神村先輩も大変なことに巻き込んでしまったって。



それは僕が2人を二股にかけてる魔性の転校生・・・だから?

親衛隊っていうのは、寮長や神村先輩が好きだからあるんだよね。

ということは・・・。

2人を二股にかけてる僕が、面白くない存在になってるってことぉ〜?



「りょ、寮長・・・僕、まさか、まさかとは思うんですけど。」



寮長は男前の爽やか笑顔でニッコリ笑って。



「そのまさかだ♪襲われないように気を付けろよ!」



や、やっぱり・・・。

親衛隊とファンの人達に目を付けられたんだ〜。

どうしたらいいの?



僕が怖がっていると、神村先輩が僕の肩に手を置いて、フワリと笑いかけてくれた。



「心配しないで、柊木君。僕も徳平さんも君に危害が加えられないように親衛隊には話をつけているから。ファンの人達も親衛隊が抑えてくれる。」



「え?」



「人が悪いですよ、徳平さん。柊木君が可哀想じゃありませんか。こんなに怯えてる。」



そういうと、神村先輩は僕を抱き締めてくれた。



う、うわ・・・///。

神村先輩って細身に見えるのに、意外と胸板が厚いんだ。



僕が神村先輩の胸の中に収まって安心感に包まれていると、俄に教室がざわつき始めた。



僕が顔を上げると、寮長は口笛を吹きながら。



「槇、お前大胆な奴だなぁ♪」



と言ってニヤケているし、河上君達は一様に驚いている。

桜木君は固まっていたけど、冷静に見ていた。



「フフ、また誤解されるかな?」



神村先輩は悪戯っぽく笑って僕を見る。

その笑顔に僕は見惚れた。



いち早くそれを見抜いた寮長は、からかってきて。



「領、槇に惚れるなよ。俺というれっきとした彼氏がいるんだからな♪」







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