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鳳凰の宮学園
掲示板 5


両天秤?

寮長と神村先輩を?



エェッと・・・。



頭の中で今聞いたことを繰り返してみる。



ま、まさか・・・。

あり得ないけど。



「ぼ・く・が寮長と神村先輩を両天秤に!?・・・ど、どうしてそんな根も葉もないことが掲示板に貼られているの?」



驚きのあまり大声になってしまったけど、そんなこと構っていられない。



「寮長!どうしてなの?」



「領、落ち着けって。慌てた顔も可愛いけど♪」



ニヤニヤ笑いながら言う寮長を、ギロっと睨む。



「その顔は頂けないぞ!もっと上目遣いに・・・。」



「寮長!」



「ハハハ。さてっと領が知りたがってる掲示板のことだが、昨日の俺との食堂でのキスと図書室での愼との抱擁を、我が鳳凰の宮学園の新聞部が嗅ぎ付けたらしいんだ。それでもって、わざわざ俺達の写真付きの三角関係の図を掲示板に貼り出したって訳だ。まぁ、食堂での件はほとんどの生徒が見ていたから安易に分かるだろうが・・・愼のは予想外だったなぁ。」



寮長は心底意外だという風に神村先輩を見て、眉を下げてから苦笑いをしていた。



「僕の方も、こんなに大きな騒ぎになるとは思ってもいませんでした。たった二人の生徒に見られただけでしたので。・・・きっと、徳平さんの件があったから噂が広がったんでしょうね。」



神村先輩の方も寮長と同様に困惑した笑みを浮かべていて、僕の方を見るとすまなさそうに。



「柊木君、大変なことに巻き込んでしまってごめんね。」



「大変な事?」



状況が呑み込めなていない僕は、神村先輩をポカンと見つめていた。



そうしたら僕の頭をコツンと軽く、拳骨を落とした寮長が呆れたような顔をして、でも優しい口調で僕に説明してくれた。



「つまり、今日この時からお前は、全校生徒に俺と愼2人を二股にかけてる凄腕の・・・魔性の転校生ってレッテルを張られたことになるんだ。」



「ま、魔性の?な、何でですか?」



理解不能だよ〜!

寮長と神村先輩には、良くしてもらっているけど、本当に先輩と後輩の間柄なんだ。

変なことなんて何もないのに。



「はっきり言って俺と愼は、この学園の中でも上位に入るぐらいのモテ男だ。親衛隊もあるし、ファンも多い。普段は俺達のプライバシーを尊重してくれているから、表立ってはわからないが、どちらの親衛隊やファンも二股をかけてる領を、放ってはおかないと思う。」






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