鳳凰の宮学園 目覚めて 5 龍弥君は驚いた顔をして僕をまじまじと見た。 「感謝?」 「うん!酒井シェフの美味しい料理を食べることができたし・・・それに・・・///。」 「それに?」 「龍弥君と一緒に朝御飯を食べれたこと、とっても嬉しかった。転校してきて不安だった僕に、最初に優しく接してくれた龍弥君に、本当に感謝してるんだ。」 笑顔を向けて龍弥君に言うと、龍弥君も嬉しそうに笑ってくれた。 「領、俺も領と朝食を食べるのを毎日楽しみにしてるんだ。だから・・・。」 言葉を切った龍弥君をじっと見る。 考えてる姿は、ちょっと大人っぽいっていうか、完全に僕より年上に見える・・・。 ホントに格好良いな。 そういえば・・・龍弥君は将来何になりたいんだろう? う〜ん! 俳優さんとかモデルさんとかどうかなぁ、背も高いし。 でも優しいから、保育園の先生とかも似合いそう。 「俺の顔に何か付いてる?」 ・・・///。 見すぎてた?よね。 「ううん、ごめん・・・///。」 「クス。真っ赤だ、領。可愛い♪」 と、年上の僕に可愛いだなんて・・・///。 恥ずかしいなぁ。 「領。」 「な、なぁに?」 「やっぱり朝食は一緒に食べよう!」 えぇ? 驚きのあまり目を見開いた僕に龍弥君は、またもやクスッと笑い。 「酒井シェフに頼んで、朝食の内容を食堂と同じにしてもらうよ。そうすれば、領も気兼ねなくここに来れるだろう?」 そ、それはそうだけど・・・。 「でも、酒井シェフに迷惑かけちゃうのは・・・。」 「大丈夫だよ!酒井シェフは快く引き受けてくれるよ。それに俺、領と一緒じゃないと朝抜くし。」 ええ〜〜! な、なんで? ポカンと口を開いていたら。 「今までずっと朝は食べてなかったんだけど、領と一緒にいる時間を持ちたかったから、今は食べてる。それを酒井シェフは分かってるから。」 ・・・///。 僕と一緒に過ごす時間を持ちたかっただなんて! 「だから領、明日からも一緒に食べよう。」 龍弥君の明るい瞳に僕は迷うことなく頷いた。 「うん。ありがとう龍弥君。僕・・・とっても嬉しいよ・・・///。」 「そう言ってもらえると俺も嬉しい。俺にとって領と会える時間は、とても大切だから。」 もっ、もう! どうしてそういう恥ずかしいこと言うかなぁ〜! 龍弥君は素直すぎだ。 男の僕が照れるようなことをスラスラ言えるんだもの。 でも・・・その素直さは龍弥君の良いところだから、ずっとずっと変わらずにいてほしいな・・・///。 [*前へ][次へ#] [戻る] |