鳳凰の宮学園 目覚めて 1 − 守りたい 本気だから − ぱちっ。 ・・・///。 「夢・・・。」 布団をガバッと頭まで被る。 あ〜! 恥ずかしい! 昨日、龍弥君が言ってくれた言葉が夢に出てくるなんて。 今思い出しても顔が火照ってくるよ〜。 大体、年上で男の僕に、まるで好きな女の子に告白するような事を言うんだもん。 龍弥君、絶対に僕を年上だって思ってない。 そりゃあ僕の方が背が低いし、ちょっと幼く見えるかもしれないけど、それは龍弥君が大人っぽいからで、僕はれっきとした高校生だ! ・・・でも、 すっごく嬉しかった! 両親と離れて暮らし始めた僕にとって、龍弥君の一言は何よりも心強かった。 龍弥君って凄いなー。 普通照れて言えないような事を、すらりと言葉に出来るんだもの。 きっと龍弥君は同姓とか関係なく、人として大切な事を素直に表現出来るんだろうな。 でも、今日龍弥君に会ったら注意しなきゃ! 男に守りたいって言っちゃダメだって。 男は守られるより、守る側なんだから! 「よし!起きよう。」 龍弥君とは6時半に会う約束をしてるから、今から仕度をすれば十分に間に合う。 布団から出るとブルッと震えた。 「寒い〜!」 あわてて上衣を羽織る。 外の様子を見ようと窓に近付いたら、窓ガラスが結露していて外が見えないため、息をハァっと吹き掛けてから曇りをとって、空を眺めた。 「今日もずっと雪が降りそうだなぁ。」 だけど今年は本当に良く降るなぁ。 温暖化なんて言われてて毎年気温が上がってるはずなのに。 ・・・そういえば一説には氷河期が来るって言う、学者さんもいたような? あっと、いけない。 早く行かなきゃ。 出掛ける用意を済ませてから、静かに部屋を出た。 まだ朝が早いせいなのか、廊下には人っ子1人いない。 結構ギリギリまで寝てるもんなんだろうか? 僕はこの学園に来るまで、朝御飯とお弁当を作ってて、いつも6時前には起きてたから、早起きが習慣なんだ。 目覚まし時計が無くても、ちゃんと起きれるし! エヘヘ・・・///。 ちょっと自慢だったりして。 エレベーターで1階に降り、ロビーを通り抜けて外に出ると、既に龍弥君が居て、寮の前にある大きな木に凭れかかっていた。 [*前へ][次へ#] [戻る] |