鳳凰の宮学園 tatsuya 受信 1 シャワーを浴びて部屋に戻ると、携帯の着信音が聞こえてきた。 今の時間なら、族の連中だろうと思っていた俺は暫く放って置いた。 遊びの誘いだろうし、今から出掛けたくない。 毎朝、領と過ごせる時間を楽しみたいから、夜は静かな気持ちで過ごしたいんだ。 タオルドライしながら、鏡の中の自分の顔を見る。 「ガキの顔だ。」 徳平さんには遠く及ばないな。 あの人は大人だ、悔しいくらい。 領が、惹かれるのも無理はない・・・。 だけど・・・ ・・・嫌だ! 領が誰かのモノになるなんて! パリンッ! 鏡の中の俺が大小になって幾重にも見える。 拳からは血が流れて来たが、痛みは無かった。 「ハァ・・・。何やってんだ。」 怒りに任せて物に当たるなんて。 血をタオルで拭いさってから、ベッドに行くと携帯を手に取り着信履歴を見た。 受信BOXを開けると、目を見張った。 今朝から心待ちにしていた人物、領からのメールが来ていたんだ。 直ぐに見なかったことを後悔するも、心が早って指を動かす。 内容を見てみると、昨日助けた礼が綴ってあり、最後に携帯番号が書いてあった。 しかし。 フフ・・・///。 「領・・・まだ11時前だぜ?寝てるかなって、可愛いなぁ。それにしても領はもう寝る時間なのか?」 急いでメールに記載されている携帯番号に掛けてみた。 しばらく待ってみるも領は出なかった。 「まさか本当に寝てるのか?」 暫し携帯を見ながら、ベッドの上で考え込む。 「もしかして、風呂かも・・・。」 領はかなりの風呂好きだ、長風呂でもしてるんだろう。 何故だか確信があったので、メールを短く打ち込み領に送信した。 「白くて細い身体だったなぁ。」 お尻とか少し丸みがあって、柔らかだった。 ハッ! ・・・///。 ドサッ! ベッドに寝転び、腕を目の上に置いた。 領は男で、女じゃない。 なのに・・・とても愛しくて、可愛くて守ってやりたいって本気で思った。 俺の腕の中にすっぽり収まって寝ている領を見ていると、幸せな気持ちが込み上げて来て、ずっとこのままでいたいとも思った。 領は俺にとって・・・ ・・・特別なんだ。 [*前へ][次へ#] [戻る] |